令和7年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問3を解説|酸素要求量の計算
令和7年度 大規模水質特論 問3は、POC(粒子状有機炭素)から全酸素要求量を求める計算問題です。クロロフィル-a濃度が与えられたときの酸素要求量(mgO2/L)を求めます。
この問題のポイント
解き方は3ステップです。まず近似式 y=50x でPOC(炭素量)を出し、次に呼吸の反応式1から「炭素1に対して酸素いくつか」の比を出し、最後に単位をmgO2/Lにそろえます。引っかけの核心は、単位換算とmol比の二段構えです。POCは mg/m3 で出るのでmg/Lに直す(1000で割る)こと、そして酸素と炭素は質量ではなくmol比((m+2n)対m=150対120)で対応させることを外さないのがカギです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(2.0 mgO2/L)
計算の手順
与えられた条件は、y=50x(y=POC(mg/m3)、x=Chl-a(mg/m3))、Chl-a=12 mg/m3、式1で m=120・n=15、原子量は酸素16・炭素12です。
- POC(炭素量)を出す:POC=50×12=600 mgC/m3。1 m3=1000 Lなので、0.6 mgC/L。
- 酸素と炭素のmol比を出す:式1で有機物1分子あたり酸素は(m+2n)=120+2×15=150 mol、炭素は m=120 mol。よって酸素:炭素=150:120=1.25。
- 炭素をmolに直す:0.6 mgC/L ÷ 12=0.05 mmol-C/L。
- 酸素量に換算する:0.05×1.25=0.0625 mmol-O2/L。酸素分子O2は32なので、0.0625×32=2.0 mgO2/L。
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 値(mgO2/L) | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 0.6 | POC(mgC/L)の値そのままで、mol比32/12の換算をしていない場合の誤答です。 |
| (2) | 1.0 | 酸素:炭素のmol比を取り違えた場合などの誤答です。 |
| (3) | 1.6 | mol比を1.0程度と誤るなど、換算途中の取り違えによる誤答です。 |
| (4) | 2.0 | 正しい値。0.6 mgC/L→0.05 mmol、×1.25×32=2.0 mgO2/L。 |
| (5) | 2.6 | 係数や単位換算を過大に見積もった場合の誤答です。 |
覚え方
- 酸素要求量は炭素mol×(酸素:炭素のmol比)×32で出す。質量比でなくmol比。
- 式1の酸素:炭素は(m+2n):m。mg/m3はmg/Lへ1000で割る。
理解度チェック
Q.
この問題の酸素:炭素のmol比はいくつ?
1.25です。式1で酸素は(m+2n)=150 mol、炭素は m=120 mol、150÷120=1.25になります。
Q.
POC=600 mgC/m3 は何 mgC/L?
0.6 mgC/Lです。1 m3=1000 Lなので、mg/m3 の値を1000で割ります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月