令和6年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問4を解説|比増殖速度の計算
令和6年度 大規模水質特論 問4は、海洋生態系モデルにおける植物プランクトンの比増殖速度を求める計算問題です。最大可能比増殖速度・光の制限・栄養塩の制限から、比増殖速度(d-1)を計算します。
この問題のポイント
比増殖速度は、最大可能比増殖速度に、光と栄養塩の「制限項(0〜1の割合)」を掛けて求めます。栄養塩の制限はミハエリス・メンテンの式で、濃度が半飽和定数に等しければ制限項は0.5、半飽和定数の2倍なら約0.667になります。分かれ目は、窒素とりんのどちらの制限を使うかです。リービッヒの最小律に従うので、制限が最も厳しい(値が小さい)方だけが効きます。ここでは窒素の0.5が効き、0.60×0.80×0.5=0.24となります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
計算の手順
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 窒素の制限項 | 窒素濃度は半飽和定数に等しいので、制限項=濃度/(半飽和定数+濃度)=1/(1+1)=0.5。 |
| りんの制限項 | りん濃度は半飽和定数の2倍なので、制限項=2/(1+2)=約0.667。 |
| 最小律で選ぶ | 最小律に従い、小さい方の窒素の制限項0.5を採用します(けい酸の制限は無視)。 |
| 掛け合わせ | 0.60(最大可能)× 0.80(光)× 0.5(窒素)=0.24 d-1。 |
よって比増殖速度は0.24 d-1で、選択肢(2)が正解です。
ここが分かれ目
間違いやすいのは、栄養塩の制限でりんの0.667を使ってしまうことです。りんを使うと0.60×0.80×0.667=約0.32となり、選択肢(3)を選んでしまいます。しかしリービッヒの最小律は「最も不足した栄養塩だけが増殖を決める」という考え方なので、制限項が小さい方(窒素の0.5)を採らなければなりません。もう一つの引っかけは、光の制限項0.80を掛け忘れることです。最大可能比増殖速度に、光と栄養塩の両方の割合を掛けて初めて実際の比増殖速度になります。
覚え方
- 比増殖速度=最大可能 × 光の制限 × 栄養塩の制限。
- ミハエリス・メンテン:濃度=半飽和定数なら制限項0.5、2倍なら約0.667。
- 最小律=複数の栄養塩のうち最も小さい制限項だけが効く。
理解度チェック
窒素とりんの制限項が両方あるとき、どちらを使う?
リービッヒの最小律に従い、制限項が小さい方(=最も不足した栄養塩)だけを使います。この問題では窒素の0.5です。
濃度が半飽和定数に等しいとき、ミハエリス・メンテンの制限項は?
濃度/(半飽和定数+濃度)=1/(1+1)=0.5です。半飽和定数の名のとおり、そこで最大の半分になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月