令和6年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問3を解説|溶存酸素の消費
令和6年度 大規模水質特論 問3は、生態系モデルにおける海水中の溶存酸素(DO)の動態、とくに何によって酸素が消費されるかに関する問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
海水中の溶存酸素は、有機物の分解や生物の呼吸、そしてアンモニアを硝酸へ変える硝化などによって消費されます。窒素の形をたどると、アンモニア体窒素→亜硝酸→硝酸体窒素と酸化されていく過程で酸素が使われます。引っかけの核心は選択肢(1)で、「硝酸体窒素の酸化によって消費される」とする点です。硝酸体窒素はすでに最も酸化が進んだ形なので、これ以上酸化されず酸素を消費しません。酸素を消費するのは、その手前のアンモニア体窒素の酸化です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 硝酸体窒素はすでに酸化された最終形で、これ以上酸化されず酸素を消費しません。酸素を消費するのはアンモニア体窒素の酸化です。 |
| (2) | ○(正しい) | 溶存体有機物が微生物に分解・無機化されるとき、酸素が消費されます。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 植物プランクトンも呼吸をしており、そのとき酸素を消費します。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 懸濁体有機物が分解・無機化されるときも酸素が消費されます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | アンモニア体窒素が硝化で酸化されるとき、酸素が消費されます。正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
窒素は、アンモニア体窒素(NH4+)→亜硝酸体窒素→硝酸体窒素(NO3-)という順に酸化されていき、この硝化の過程で溶存酸素が使われます。硝酸体窒素はこの流れのいちばん端にある、最も酸化された形なので、酸素があってもさらに酸化されることはなく、酸素消費の原因にはなりません。むしろ酸素の乏しい条件では、硝酸体窒素は脱窒によって窒素ガスへ「還元」されていく側です。選択肢(1)は、酸素を消費する側(アンモニア体窒素の酸化)と、消費しない側(硝酸体窒素)を取り違えている点が誤りです。
覚え方
- 硝化で酸素を使うのはアンモニア体窒素→硝酸への酸化。
- 硝酸体窒素は酸化の最終形→これ以上酸化されず酸素を消費しない。
- DO消費=有機物の分解・生物の呼吸・アンモニアの硝化。
理解度チェック
硝化で溶存酸素を消費するのは窒素のどの形の酸化?
アンモニア体窒素の酸化(アンモニア→亜硝酸→硝酸)です。この過程で酸素が使われます。
硝酸体窒素の酸化が酸素を消費しないのはなぜ?
硝酸体窒素はすでに最も酸化された形で、これ以上酸化されないためです。酸素が乏しいと、逆に脱窒で還元される側になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月