令和5年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問9を解説|製紙工場の排水処理工程
令和5年度 大規模水質特論 問9は、製紙工場の排水処理工程に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
製紙排水はBOD・COD成分とSS(繊維分など)が対象で、まず初沈槽で粗いSSを除いてから活性汚泥曝気槽へ送ります。製紙排水は窒素・りんが不足しがちなので、活性汚泥処理では栄養として窒素・りんを添加します。処理水はさらに凝集沈殿でSSや色度を落とし、脱水機のろ水は工程の入口へ戻します。引っかけの核心は、消毒(殺菌)を置く位置です。消毒は放流前の最終段で行うもので、処理の途中で消毒剤を加えてから凝集沈殿槽へ送るという順序にはなりません。選択肢(4)はこの順序を取り違えています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 対象とする汚濁物質は、BODあるいはCOD成分とSSです。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 初沈槽で繊維分などの粗いSSを除いてから活性汚泥曝気槽へ送ります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 製紙排水は栄養塩が不足しがちなので、活性汚泥処理で窒素・りんを添加します。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 消毒は放流前の最終段で行います。消毒剤を添加してから凝集沈殿槽へ送るという順序が誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 脱水機のろ水は、排水処理工程の入口に戻して再び処理します。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
活性汚泥処理を終えた水は、まだ残る細かいSSや色度を落とすために凝集沈殿へ送られます。つまり凝集沈殿は、生物処理のあとに置く仕上げの処理です。一方、消毒(殺菌)は放流の直前に行う最終段で、細菌などを減らして水を送り出すための操作です。処理の途中で消毒剤を加え、そのあと凝集沈殿槽へ送るという流れは順序が逆で、成り立ちません。選択肢(4)は、消毒を最終段ではなく凝集沈殿の前に割り込ませている点が誤りです。
覚え方
- 消毒は放流前の最終段。処理の途中に割り込ませない。
- 製紙排水は栄養塩不足=活性汚泥で窒素・りんを添加。
- 順序は「初沈→活性汚泥→凝集沈殿→(最後に消毒)」。
理解度チェック
Q.
排水処理で消毒(殺菌)を行うのはどの段階?
放流前の最終段です。生物処理や凝集沈殿を終えた水を送り出す直前に行います。
Q.
製紙工場の活性汚泥処理で窒素・りんを添加するのはなぜ?
製紙排水は窒素・りんが不足しがちで、微生物の栄養が足りないためです。栄養を補って生物処理を安定させます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月