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令和5年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問7を解説|製鉄所熱間圧延工程の排水処理

令和5年度 大規模水質特論 問7は、製鉄所の熱間圧延工程で出る排水の処理に関する問題です。不適切なものを選びます。

この問題のポイント

熱間圧延では、高温の鋼材に直接ふれる直接冷却水と、機器を介して冷やす間接冷却水が出ます。直接冷却水はスケール(酸化鉄)や油脂類で汚れるため別系統で処理・循環し、間接冷却水は主に温度が上がるだけなので冷却塔で冷やして使います。引っかけの核心は、油分(n-ヘキサン抽出物質)の除き方です。水に混じった油分は、比重差を使う浮上分離(加圧浮上など)で分けるのが基本で、揮発性の成分を蒸気で追い出す蒸気ストリッピングの対象ではありません。選択肢(3)はこの処理法を取り違えています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)直接冷却系と間接冷却系は別系統で処理し、それぞれの箇所に循環使用するのが一般的です。正しい記述です。
(2)○(正しい)直接冷却水の汚濁物質は、製品表面にできるスケールや油脂類です。正しい記述です。
(3)×(誤り)油分(n-ヘキサン抽出物質)は浮上分離などで除きます。蒸気ストリッピングで処理するとする点が誤りです。
(4)○(正しい)間接冷却水の排出水は温度上昇が主で、冷却塔で水温を下げて使います。正しい記述です。
(5)○(正しい)仕上圧延のスケールは、スケールピットと沈殿槽を経てからろ過で処理します。正しい記述です。

選択肢(3)のポイント(ここが誤り)

蒸気ストリッピングは、水に溶けた揮発しやすい成分を蒸気で気相へ追い出して除く操作で、アンモニアや揮発性有機物などが対象です。これに対し、直接冷却水に混じる油分(n-ヘキサン抽出物質)は水より軽く水面に浮きやすいため、比重差で浮かせて分ける浮上分離(加圧浮上など)で除くのが基本です。油分は蒸気で追い出せる相手ではありません。選択肢(3)は、油分の除去に別の対象向けの蒸気ストリッピングを当てている点が誤りです。

覚え方

  • 水中の油分は浮上分離(加圧浮上)で除く。比重差で浮かせる。
  • 蒸気ストリッピングは揮発成分(アンモニア等)向け。油分の相手ではない。
  • 直接冷却水は汚れる(スケール・油)=別系統。間接冷却水は温度だけ=冷却塔。

理解度チェック

Q.

排水中の油分(n-ヘキサン抽出物質)を除く基本的な方法は?

浮上分離(加圧浮上など)です。油は水より軽く浮きやすいので、比重差で分けます。

Q.

間接冷却水の排出水は、主にどんな処理をして再利用する?

水質の悪化は少なく温度が上がるだけなので、冷却塔で水温を下げて循環使用します。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF