令和元年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問9を解説|製紙工場の排水
令和元年度 大規模水質特論 問9は、製紙工場における排水処理に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
クラフトパルプの製造では、水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを含む白液で木材を蒸解し、木材からリグニンを溶かし出します。使い終わった薬液は黒液と呼ばれ、溶け出したリグニンと反応後の無機薬品を含みます。無機分はカセイ化工程で再生され、白水回収装置では浮上分離で原料の繊維を回収します。引っかけの核心は黒液の中身です。黒液はリグニンを含む液であって、「リグニンを取り除いた残り」ではありません。選択肢(2)はこの関係を逆に書いています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 蒸解に用いる白液には水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムが含まれます。正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | 黒液は溶け出したリグニンを含む液で、「リグニンを取り除いた残り」とする点が誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 黒液中の無機物はカセイ化工程を経て再生利用されます。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 節水対策として黒液濃縮工程から出る凝縮水を利用します。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 白水回収装置では気泡による浮上分離で原料を回収します。正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
蒸解工程では、白液の薬品が木材中のリグニンを溶かし出し、パルプ(繊維)と液に分けます。続く洗浄工程でパルプから分離した使用済みの液が黒液で、ここには溶け出したリグニンと反応後の無機薬品が含まれています。黒液が黒く、燃料や薬品回収に使えるのも、このリグニンなどの有機分があるためです。したがって黒液は「リグニンを取り除いた残りの液」ではなく、リグニンをたっぷり含んだ液です。選択肢(2)は、含まれているはずのリグニンを取り除いたものと逆に述べている点が誤りです。
覚え方
- 白液=水酸化ナトリウム+硫化ナトリウムで蒸解。黒液=リグニンを含む使用済み液。
- 黒液は「リグニン入り」。無機分はカセイ化で再生、有機分は燃料などに活用。
理解度チェック
Q.
黒液にはリグニンが含まれる?含まれない?
含まれます。蒸解で木材から溶け出したリグニンと反応後の無機薬品を含む液が黒液です。「取り除いた残り」ではありません。
Q.
白液に含まれる薬品は?
水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムです。これで木材を蒸解し、リグニンを溶かし出します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月