令和2年度 公害防止管理者 大気・水質概論 問10を解説|汚濁と水生植物
令和2年度 大気・水質概論 問10は、汚濁が水生植物に及ぼす影響と、水生植物の機能に関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、水域が汚れると水生植物にどう影響するか、そして水生植物が持つ水質浄化などの機能を問うものです。汚濁は基本的に水生植物にとって不利に働く、という大きな向きを押さえるのがカギです。
核心は、溶存酸素が減って底が嫌気的になったときの影響です。このとき溶け出すアンモニアや硫化水素は水生植物に有害で、成長にはマイナス要因です。これをプラス要因とすると誤りになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 嫌気化で溶出するアンモニア・硫化水素は有害で、水生植物の成長にはマイナス要因です。「プラス要因」は誤りです。 |
| (2) | ○(正しい) | 濁りは光の透過率を下げ、沈水植物の成長にとってマイナス要因になる点は正しい。 |
| (3) | ○(正しい) | 軽度の汚濁が進むと、まずカワモズクなど清水性の水生植物が消滅する点は正しい。 |
| (4) | ○(正しい) | 多量の汚濁物質が流入する高汚濁状態では、水生植物が生育しにくくなる点は正しい。 |
| (5) | ○(正しい) | 水生植物が窒素・りんを吸収する水質浄化作用をもつ点は正しい。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
溶存酸素が減り、川床や底泥が嫌気的になると、有機物の分解でアンモニアや硫化水素が発生し、水中へ溶け出します。これらは生物にとって有害な物質で、硫化水素は特に毒性が強く、根が接する底泥の環境を悪化させます。
したがって、これらの溶出は水生植物の成長にとってマイナス要因です。選択肢(1)は、これを「プラス要因」としている点が誤りです。汚濁による嫌気化は水生植物に不利に働く、という向きで押さえれば、プラス・マイナスを取り違えません。
覚え方
- 嫌気化で溶出するアンモニア・硫化水素は有害=マイナス要因。
- 汚濁・濁り・嫌気化は水生植物に不利。水生植物側は窒素・りんを吸う浄化作用をもつ。
理解度チェック
Q.
底泥が嫌気的になって溶け出すアンモニアや硫化水素は、水生植物にどう働きますか。
マイナス要因です。これらは有害で、成長を妨げます。プラス要因とするのは誤りです。
Q.
水生植物がもつ水質浄化の働きとは何ですか。
窒素やりんなどを吸収する働きです。富栄養化の原因となる栄養塩を取り込み、水質を改善します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気・水質概論 問題」(公式PDF)
- 汚濁と水生生物・水生植物に関する基礎知識
※ この記事の確認日:2026年7月