令和2年度 公害防止管理者 大気・水質概論 問9を解説|水質指標(VSSは有機物量)
令和2年度 大気・水質概論 問9は、水質指標に関する問題です。BOD・SS・VSS・りん・クロロフィルaの説明のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、水の汚れを測るいろいろな指標が、それぞれ何を測っているのかを問うものです。有機物の量を測るのか、粒子の量を測るのか、栄養塩の量を測るのかを整理できているかがカギです。
核心は、VSS(強熱減量:揮発性浮遊物質)が何の量を表すかです。VSSは懸濁物質を強く熱したときに燃えて減る分、つまり有機物量の指標です。これを鉱物量の指標とすると誤りになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | BODが生物化学的に分解可能な有機物の指標である点は正しい。 |
| (2) | ○(正しい) | SSに人為的汚濁物質だけでなく自然の粘土鉱物由来の微粒子も含まれる点は正しい。 |
| (3) | ×(誤り) | VSSは懸濁物質中の有機物量の指標です。「鉱物量の指標」は誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | りんが富栄養化の原因物質で、全りんとして測定される点は正しい。 |
| (5) | ○(正しい) | クロロフィルaが富栄養化の程度を表す指標である点は正しい。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
SS(浮遊物質)を強く熱すると、有機物は燃えて気体になって減り、鉱物などの無機分は灰として残ります。このとき燃えて減った分がVSS(強熱減量)で、これは懸濁物質に含まれる有機物量を表します。残った灰の分が無機物(鉱物量)にあたります。
選択肢(3)は、VSSを「鉱物量の指標」としている点が誤りです。燃えて減るVSSは有機物量、燃え残る分が鉱物(無機)量で、両者は逆向きの関係になります。SSのうちどれだけが有機物かを見る指標がVSSです。
覚え方
- VSS=強熱で燃えて減る分=有機物量。燃え残る灰が無機(鉱物)量。
- BODは分解可能な有機物、クロロフィルaは富栄養化の程度とセットで整理。
理解度チェック
Q.
VSS(強熱減量)は何の量を表す指標ですか。
懸濁物質中の有機物量です。強熱して燃えて減る分がVSSで、鉱物量の指標ではありません。
Q.
SSには人為的な汚濁物質しか含まれませんか。
いいえ。工場排水などの人為的物質だけでなく、自然の粘土鉱物に由来する微粒子も含まれます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気・水質概論 問題」(公式PDF)
- 水質指標(BOD・SS・VSS等)に関する基礎知識
※ この記事の確認日:2026年7月