令和元年度 公害防止管理者 大気・水質概論 問6を解説|光化学オキシダントの生成機構
令和元年度 大気・水質概論 問6は、対流圏大気中の光化学オキシダント(Ox)に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、光化学オキシダントの主成分やオゾンの生成・ラジカル連鎖反応の流れを正しく理解しているかを問うものです。引っかけの核心は、ヒドロキシルラジカル(OH)がどこから生じるかという点です。「水の光分解でOHができる」と単純化した記述が正しく見えますが、実際の生成経路はもう一段はさまれています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | Oxの主成分はオゾン(O3)です。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 二酸化窒素の光分解で生じた酸素原子が酸素分子と結びついてO3ができます。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | OHは水の直接光分解ではなく、オゾン由来の励起酸素原子と水(H2O)の反応で生じます。誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 炭化水素・VOCとOHの反応で始まるラジカル連鎖はO3の蓄積に重要な役割を果たします。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | PANなどの生成は、ラジカル連鎖反応を停止させる反応です。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
大気中でヒドロキシルラジカル(OH)が生じる主な経路は、まずオゾン(O3)が光を受けて分解し、エネルギーの高い励起状態の酸素原子ができ、その酸素原子が水(H2O)と反応してOHを生成する、という二段構えです。選択肢(3)は「水(H2O)の光分解で直接OHが生成する」としている点が誤りです。OHの供給源は水分子ですが、引き金になっているのはオゾンの光分解であり、水そのものが光で割れてOHになるわけではありません。
覚え方
- Oxの主成分=オゾン(O3)。NO2の光分解→酸素原子→O3。
- OH生成=オゾンの光分解→励起酸素原子+水(水の直接光分解ではない)。
- ラジカル連鎖を止めるのはPANなどの生成。
理解度チェック
Q.
大気中でヒドロキシルラジカル(OH)はどのように生成しますか。
オゾンの光分解で生じた励起酸素原子が水(H2O)と反応して生成します。水の直接光分解とするのは誤りです。
Q.
光化学オキシダントの主成分は何ですか。
オゾン(O3)です。二酸化窒素の光分解で生じた酸素原子が酸素分子と結合して生成します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大気・水質概論 問題」(公式PDF)
- 公害防止の技術と法規(大気編・光化学オキシダント)
※ この記事の確認日:2026年7月