令和7年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問4を解説|サイクロンの特性
令和7年度 ばいじん・一般粉じん特論 問4は、サイクロン(遠心力集じん装置)の特性に関する正誤問題です。外筒半径や円周速度と分離限界粒子径の関係、ダスト濃度と圧力損失、ブローダウン、マルチサイクロンといった性質のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
サイクロンは旋回流の遠心力でダストを外壁に押し付けて分離する装置です。外筒半径が小さいほど、また円周速度が大きいほど遠心力が強まり、より小さな粒子まで捕らえられる(分離限界粒子径が小さくなる)のが基本です。引っかけの核心はダスト濃度と圧力損失の関係で、濃度が高いと圧力損失がどう変わるかを向きごと取り違えないことが分かれ目です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 外筒半径が小さいほど旋回半径が小さくなり遠心力が強まるため、分離限界粒子径は小さくなります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 円周方向の粒子速度が大きくなると遠心力が強まるため、分離限界粒子径は小さくなります。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 向きが逆です。ダスト濃度が増加すると、旋回流のエネルギーが粒子群に消費されて旋回が弱まるため、圧力損失はむしろ減少します。「増加する」は誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | ブローダウンで抽気するガス量は、通常処理ガス量の5~15%程度です。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 小形サイクロンを多数並べたマルチサイクロンは、大容量のガス処理にも対応できます。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
サイクロンの圧力損失は、内部で気流が高速に旋回することによって生じます。ここにダストが高濃度で入ってくると、粒子群が旋回流の運動エネルギーを受け取り、また壁面近くで気流の乱れを抑える(整流する)ように働くため、旋回そのものが弱まります。その結果、ダスト濃度が高くなるほど圧力損失は減少する向きになります。選択肢(3)は「ダスト濃度が増加するほど圧力損失が増加する」としており、これは関係を逆に書いた誤りです。
覚え方
- 外筒半径が小さい・円周速度が大きい → 遠心力大 → 分離限界粒子径は小さくなる。
- ダスト濃度が高いと圧力損失は下がる(旋回流が弱まる)。向きを逆にしない。
- ブローダウンの抽気は処理ガス量の5~15%程度。
理解度チェック
Q.
サイクロンのダスト濃度が高くなると、圧力損失は増える?減る?
減ります。高濃度の粒子群が旋回流のエネルギーを消費し、旋回が弱まるため、圧力損失は低下します。
Q.
外筒半径を小さくすると、分離限界粒子径はどうなる?
小さくなります。旋回半径が小さくなって遠心力が強まり、より細かい粒子まで分離できるようになります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月