令和6年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問5を解説|拡散による捕集
令和6年度 ばいじん・一般粉じん特論 問5は、拡散による捕集に関する正誤問題です。付着速度・付着量・捕集効率が何に比例(反比例)するかのうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
微小な粒子は、ブラウン運動で不規則に動き回りながら捕集体(繊維や液滴など)の表面へ拡散していきます。拡散が効くほど付着しやすく、拡散の効きは拡散係数や濃度が大きいほど強くなります。分かれ目はペクレ数と捕集効率の向きで、ペクレ数は「流れの運びに対して拡散がどれだけ弱いか」を表す数なので、ペクレ数が大きいほど拡散捕集はむしろ効きにくくなります。この向きを逆に読ませる引っかけが仕込まれています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 拡散による付着速度は、拡散係数が大きいほど、また濃度が高いほど大きくなります。両方に比例する正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 捕集体が小さいほど表面近くの濃度の傾きが急になり付着が進むため、付着速度は捕集体寸法に反比例します。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 向きが逆です。ペクレ数が大きいほど流れの運びが拡散を上回り、拡散捕集効率は低くなります。「高くなる」は誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 付着量は、拡散係数と濃度、および捕集体の表面積が大きいほど増えます。これらに比例する正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | ガスの粘度が高いほど粒子は動きにくくなり拡散が鈍るため、付着量はガス粘度に反比例します。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
ペクレ数は、粒子を流れが運ぶ効き(対流)と、粒子が自ら広がる効き(拡散)の比を表す数です。ペクレ数が大きいということは、流れの運びが拡散をはるかに上回っている状態なので、粒子はブラウン運動で捕集体表面へ寄っていく前に流れに乗って通り過ぎてしまいます。したがってペクレ数が大きいほど拡散による捕集効率は低くなるのが正しい向きで、選択肢(3)の「大きいほど高くなる」は効率の向きを逆に書いた誤りです。拡散捕集をねらうなら、ガスをゆっくり流し、細かい粒子を扱うほど有利になります。
覚え方
- ペクレ数が大きい=流れが拡散に勝つ=拡散捕集効率は低い。向きを逆にしない。
- 拡散の付着速度・付着量は、拡散係数と濃度に比例。
- ガス粘度が高いと粒子が動きにくく、拡散は鈍る(付着量は反比例)。
理解度チェック
ペクレ数が大きくなると、拡散による捕集効率は高くなる?低くなる?
低くなります。流れの運びが拡散を上回るため、粒子が表面へ寄る前に流れで通り過ぎてしまいます。
拡散による付着速度は、何が大きいと大きくなる?
拡散係数と濃度です。どちらも大きいほど、拡散で捕集体へ付く速さが増します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月