令和6年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問1を解説|集じん装置の圧力損失
令和6年度 ばいじん・一般粉じん特論 問1は、各種集じん装置の圧力損失に関する問題です。重力沈降室・慣性力集じん装置・サイクロン・電気集じん装置・ベンチュリスクラバーの5つのうち、実用範囲で圧力損失が最も大きいものを選びます。
この問題のポイント
集じん装置は、ガスをどれだけ強く動かして粒子を捕まえるかで圧力損失(送風機で余分に必要になる圧力)が大きく変わります。ゆっくり沈めるだけの重力沈降室や、電界で静かに引き寄せる電気集じん装置はガスの流れを乱さないので圧力損失が小さく、逆に狭い部分でガスを高速に絞って水と激しくぶつける方式ほど圧力損失は大きくなります。分かれ目はガスをどれだけ高速で絞るかで、最も激しくガスを加速する装置が答えになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(最大ではない) | 重力沈降室は、広い部屋でガスをゆっくり流して粒子を落とすだけなので、圧力損失は各装置の中で最も小さい部類です。 |
| (2) | ×(最大ではない) | ルーバー形慣性力集じん装置は羽根で流れの向きを変える方式で、圧力損失は中程度にとどまります。 |
| (3) | ×(最大ではない) | サイクロンは旋回流で分離するため圧力損失はやや大きめですが、ベンチュリスクラバーほどではありません。 |
| (4) | ×(最大ではない) | 電気集じん装置は電界で粒子を引き寄せる方式で、ガスをゆっくり流すため圧力損失は小さい装置です。 |
| (5) | ○(正解) | ベンチュリスクラバーは、絞り部でガスを高速にして水滴と激しく衝突させる方式のため、実用範囲で圧力損失が最も大きくなります。 |
選択肢(5)のポイント(なぜ圧力損失が最も大きいか)
ベンチュリスクラバーは、ベンチュリ管ののど部(絞り部)でガスを一気に加速し、そこへ水を注いで微細な水滴に砕き、粒子を水滴に捕まえさせる方式です。ガスを高速に絞るほど微細な粒子まで捕らえられますが、その代わりにガスを加速するためのエネルギーが圧力損失として大きく失われます。したがって捕集性能が高い一方で、他の乾式装置よりも送風機の動力が余計に必要になります。重力沈降室や電気集じん装置がガスを穏やかに扱うのと対照的に、ベンチュリスクラバーはガスを最も激しく動かすため圧力損失が最大になります。
覚え方
- 圧力損失はガスを絞って高速にする装置ほど大きい。ベンチュリスクラバーが最大。
- 重力沈降室・電気集じん装置は、ガスを穏やかに流すので圧力損失が小さい。
- 順番の目安:重力沈降室・電気集じん<慣性力<サイクロン<ベンチュリスクラバー。
理解度チェック
実用範囲で圧力損失が最も大きい集じん装置はどれ?
ベンチュリスクラバーです。のど部でガスを高速に絞る方式なので、ガスを加速するぶん圧力損失が大きくなります。
電気集じん装置の圧力損失が小さいのはなぜ?
電界の力で粒子を電極へ引き寄せる方式で、ガスをゆっくり流すため、流れを乱すことによる圧力の損失が小さいからです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月