令和2年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問8を解説|JISによるダスト濃度測定
令和2年度 ばいじん・一般粉じん特論 問8は、JISによる排ガス中のダスト濃度測定に関する正誤問題です。吸引流速の許容範囲や吸引ノズル・ろ紙の規定などのうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダスト濃度を正しく測るには、排ガスの流れと同じ速さでガスを吸い込む「等速吸引」が欠かせません。吸い込みが速すぎたり遅すぎたりすると、慣性の大きい粒子の入り方が変わって濃度がずれてしまいます。引っかけの核心は等速吸引から外れたときの扱いで、決まった補正式を当てはめれば済むかのように書かれた選択肢を見抜けるかどうかが分かれ目です。JISの基本は、あくまで等速吸引を守ることにあります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 吸引流速は測定点の排ガス流速に対し相対誤差-5~+10 %の範囲内とされ、等速吸引の許容幅として正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | JISの基本は等速吸引を守ることで、条件から外れた測定値をデービスの式で補正するという規定ではありません。この記述は誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 吸引ノズルの内径は4 mm以上と規定されており、正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 円形ろ紙を用いる場合は有効直径30 mm以上のものを使うと規定されており、正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | ダスト濃度が極めて低いときは、トラベルブランク試験でダスト濃度を検出限界値かそれ以下とする方法が定められています。正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
等速吸引とは、排ガスが流れる速さとぴったり同じ速さでガスを吸い込むことです。吸い込みが速いと軽い粒子ばかり多く入って濃度が高く出て、遅いと重い粒子が入りきらず低く出ます。だからこそJISは、まず等速吸引そのものを守ることを求めています。選択肢(2)は「等速吸引条件と異なったらデービスの式で補正する」としていますが、そうした補正式を当てはめて済ませる規定ではなく、この点が誤りです。測定は許容幅(相対誤差-5~+10 %、選択肢(1))の中で等速吸引を成立させて行う、と押さえておきます。
覚え方
- ダスト濃度測定の要は等速吸引。速いと高く・遅いと低く出る。
- 吸引流速の許容幅は相対誤差-5~+10 %。式で後補正して済ませる話ではない。
- 吸引ノズル内径は4 mm以上、円形ろ紙は有効直径30 mm以上。
理解度チェック
ダスト濃度測定で吸い込みが速すぎると、測定値はどうずれる?
高めにずれます。速く吸うと軽い粒子が余計に取り込まれ、実際より濃度が高く出ます。だから等速吸引が必要です。
吸引流速は排ガス流速に対してどの範囲に収めるとされている?
相対誤差-5~+10 %の範囲内です。この許容幅の中で等速吸引を成立させて測定します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月