令和2年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問2を解説|粒子の付着性と凝集
令和2年度 ばいじん・一般粉じん特論 問2は、ダスト粒子の付着性に関する正誤問題です。付着力の要因や、粒子径・水分・電気抵抗率が凝集のしやすさにどう効くかのうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
粒子どうしがくっつく付着性には、ファンデルワールス力や液架橋力、静電気力などが関わります。付着性が強いほど粒子は集まって凝集しやすくなり、水分や硫酸分を取り込んでも湿って結びつきやすくなります。引っかけの核心は比表面積(粒子の細かさ)と凝集のしやすさの関係で、細かい粒子ほど凝集はしやすくなるのか、しにくくなるのか、向きを取り違えないことが分かれ目です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 付着性が大きいほど、触れた粒子どうしが離れにくくなり凝集も進みます。付着と凝集は同じ方向に効くので正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 乾いた状態ではファンデルワールス力、湿った状態では水の橋(液架橋力)が付着の強さを左右します。要因の挙げ方として正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 向きが逆です。比表面積が大きい=粒子が細かいということで、細かい粒子ほど凝集しやすくなります。「凝集しにくくなる」は誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 排ガス中の水分や硫酸分を取り込むと表面が湿り、液架橋によって結びつきやすくなります。凝集しやすくなるという正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 見掛け電気抵抗率が高いと電荷が逃げにくく、帯電したまま残るため静電気による付着力が大きくなります。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
比表面積とは、体積(または質量)あたりの表面積のことです。粒子が細かくなるほど比表面積は大きくなり、粒子どうしが触れ合う面が相対的に増えます。さらに微小粒子はブラウン運動で活発に動き回り、互いに衝突して結合する機会が増えます。したがって比表面積が大きいほど(=粒子が細かいほど)凝集は「しやすく」なるのが正しい向きで、選択肢(3)の「凝集しにくくなる」は関係を逆に書いた誤りです。集じんでは、この性質を逆手にとって微小粒子をあえて凝集させ、見かけの粒子径を大きくして捕集しやすくする発想にもつながります。
覚え方
- 付着が強い=凝集しやすい。付着と凝集は同じ向き。
- 比表面積が大きい=粒子が細かい=凝集しやすい。向きを逆にしない。
- 付着力の主役:乾けばファンデルワールス力、湿れば液架橋力。
理解度チェック
比表面積が大きい粒子は、凝集しやすい?しにくい?
しやすくなります。比表面積が大きいのは粒子が細かいということで、触れ合う面が増え、ブラウン運動も活発になるため凝集が進みます。
粒子が湿ったときに付着を強める力は何と呼ばれる?
液架橋力です。粒子の間にできた水の橋が表面張力で粒子を引き寄せ、付着を強めます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月