令和2年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問1を解説|空気力学的粒子径の計算
令和2年度 ばいじん・一般粉じん特論 問1は、ダスト粒子の空気力学的粒子径を求める計算問題です。実際の粒子径5.0 µmと密度3000 kg/m³から、空気力学的粒子径(µm)として最も近い値を選びます。
この問題のポイント
空気力学的粒子径とは、その粒子と同じ沈降速度を持つ、密度1000 kg/m³(水と同じ基準密度)の球に置き換えたときの直径のことです。実際の粒子が水より重ければ、同じ落ち方をする水の球はもっと大きくなるので、空気力学的粒子径は実際の径より大きくなります。引っかけの核心は密度の効き方で、密度比はそのまま掛けるのではなく、平方根にして掛けます。密度が3倍でも径が3倍になるのではなく、√3倍になる点を取り違えないことが分かれ目です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 1.7 µmは密度比の平方根(√3≒1.7)だけを取り出した値で、実径5.0 µmを掛け忘れています。 |
| (2) | ×(誤り) | 2.9 µmは密度比を逆に扱って割った値(5.0÷√3)に近く、重い粒子ほど小さくなってしまうので向きが逆です。 |
| (3) | ×(誤り) | 3.9 µmも密度の扱いを誤った中間的な値で、正しい式では出てきません。 |
| (4) | ○(正しい) | 5.0 µm×√(3000÷1000)=5.0×√3≒8.7 µm。実径に密度比の平方根を掛けた正しい値です。 |
| (5) | ×(誤り) | 15 µmは密度比3をそのまま掛けた値(5.0×3)で、平方根にしていない典型的な誤りです。 |
計算の手順(ここが分かれ目)
空気力学的粒子径 da は、実際の粒子径 dp に密度比の平方根を掛けて求めます。基準となる密度は1000 kg/m³(水)です。式にすると da = dp×√(ρp÷ρ0)となり、数値を入れると da = 5.0×√(3000÷1000)= 5.0×√3 ≒ 5.0×1.73 ≒ 8.7 µm です。ここで密度比の3をそのまま掛けて15としてはいけません。密度は平方根で効くため、密度が3倍でも径は約1.7倍にしかならず、答えは選択肢(4)になります。
覚え方
- 空気力学的粒子径=実径×√(密度比)。密度は平方根で効く。
- 基準密度は1000 kg/m³(水)。重い粒子ほど径は大きく出る。
- 密度3倍 → 径は√3倍(約1.7倍)。3倍ではない。
理解度チェック
密度が4倍の粒子なら、空気力学的粒子径は実径の何倍になる?
2倍です。密度比4の平方根は2なので、径は実径の2倍になります。密度比をそのまま4倍しないよう注意します。
空気力学的粒子径の基準となる密度はいくつ?
1000 kg/m³(水の密度)です。同じ沈降速度を持つ密度1000 kg/m³の球の直径に置き換えた値が空気力学的粒子径です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月