令和元年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問10を解説|排ガス流速の計算
令和元年度 ばいじん・一般粉じん特論 問10は、ピトー管による排ガス流速を求める計算問題です。動圧の測定値と標準状態の密度から、実際の排ガス流速を計算します。
この問題のポイント
ピトー管の式は「流速=ピトー管係数×√(2×動圧÷ガス密度)」です。ここで使うガス密度は標準状態の値そのままではなく、実際の温度と圧力に直した値である点が最大の分かれ目です。標準状態の1.4 kg/m3を、温度140℃・絶対圧(大気圧+静圧)へ補正してから式に入れないと、流速がずれてしまいます。密度補正を忘れずに行えるかがカギです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 6.1 m/s。密度補正や係数の扱いを誤ると出る値で、正しい計算とは一致しません。 |
| (2) | ×(誤り) | 6.5 m/s。同様に密度の扱いを誤った場合の値で、正解ではありません。 |
| (3) | ○(正しい) | 9.3 m/s。実状態の密度約0.94 kg/m3に補正し、v=0.95×√(2×45÷0.94)を計算した値です。 |
| (4) | ×(誤り) | 10.3 m/s。密度を小さく見積もりすぎるなどの誤りで出やすい値で、正解ではありません。 |
| (5) | ×(誤り) | 12.7 m/s。密度補正やピトー管係数を落とすと大きく出る値で、正解ではありません。 |
計算の手順
まず、標準状態の密度1.4 kg/m3を実際の状態へ補正します。絶対圧は大気圧に静圧(ゲージ圧)を足して101.3+1.8=103.1 kPa、温度は273+140=413 Kです。密度は温度に反比例・圧力に比例するので、
密度 = 1.4 × (273 ÷ 413) × (103.1 ÷ 101.3) ≒ 0.94 kg/m3
次に、ピトー管の式に動圧45 Paと係数0.95を入れます。
流速 = 0.95 × √(2 × 45 ÷ 0.94) = 0.95 × √95.7 ≒ 0.95 × 9.8 ≒ 9.3 m/s
ここで密度補正をせず標準状態の1.4のまま使ったり、ピトー管係数0.95を掛け忘れたりすると、選択肢(1)(2)(4)(5)のような値になります。「実状態の密度に直す→式に入れる」の2段構えを崩さないことが正解への近道です。
覚え方
- 流速=ピトー管係数×√(2×動圧÷密度)。密度は実状態に補正。
- 密度補正=標準密度×(273÷絶対温度)×(絶対圧÷101.3)。
- 絶対圧は大気圧+静圧。ゲージ圧のまま使わない。
理解度チェック
ピトー管の式に入れるガス密度は、標準状態の値そのまま?
いいえ。実際の温度と絶対圧(大気圧+静圧)に補正した密度を使います。ここを怠ると流速がずれます。
絶対圧はどう求める?
大気圧+静圧(ゲージ圧)です。この問題では101.3+1.8=103.1 kPaとなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月