令和3年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問3を解説|重力集じんの移動速度
令和3年度 ばいじん・粉じん特論 問3は、重力集じんにおける粒子の移動速度(終末沈降速度)を表す式を選ぶ問題です。カニンガムの補正係数・粒子密度・粒子径・重力加速度・ガス粘度の掛かり方から、正しい式を選びます。
この問題のポイント
重力場でゆっくり落ちる微粒子の移動速度は、ストークスの抵抗則から導く終末沈降速度です。骨組みは「重力による沈む力」と「粘性による抵抗」がつり合う速度で、微小粒子ではさらにカニンガムの補正係数 Cm がかかります。分かれ目は粒子径 dp が何乗で効くかと、Cm・密度・重力加速度が分子側か分母側かです。とくに沈降速度は粒子径の2乗に比例する点を外さないことが決め手になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
正しい式の組み立て
カニンガム補正付きのストークス終末沈降速度は次の形です。
v = Cm ρp dp2 g / (18μ)
各記号の効き方は、次のように押さえます。
- 粒子径 dp は2乗で効く(大きい粒子ほど速く沈む)。1乗や3乗の式は誤り。
- 粒子密度 ρp・重力加速度 g・補正係数 Cm は分子側(大きいほど速い)。
- ガス粘度 μ は分母側で、係数18とともに抵抗を表す(粘るほど遅い)。
この形に一致するのが選択肢(4)です。粒子径を2乗にしていない式や、g・Cm の位置がずれた式は当てはまりません。
選択肢(4)のポイント(ここが決め手)
重力集じんの設計では、この沈降速度の粒子径2乗依存が効きます。径が半分になると沈降速度は約4分の1になり、微小粒子は重力だけではほとんど落ちません。だからこそ重力集じん装置は粗大粒子の一次分離に向き、微小粒子は電気集じんやろ過式に任せる、という装置選択の根拠になります。式を選ぶときは、まずdp が2乗かを確かめ、次に Cm・ρp・g が分子、μ が分母にあるかを見れば選択肢(4)にたどり着きます。
覚え方
- ストークス沈降速度は粒子径の2乗に比例。径半分で速度は約1/4。
- 分子=Cm・ρp・dp²・g、分母=18μ。粘度は抵抗なので分母。
- 微小粒子はカニンガム補正 Cm で見かけ上ややすべりやすくなる。
理解度チェック
ストークスの終末沈降速度は、粒子径の何乗に比例する?
2乗です。粒子径が2倍になれば沈降速度は約4倍になります。式を選ぶ最大の手がかりです。
ガス粘度μは式の分子・分母どちらに入る?
分母です。粘性は沈降を妨げる抵抗なので、粘度が大きいほど移動速度は小さくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月