令和3年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問2を解説|並列集じんの分配比
令和3年度 ばいじん・粉じん特論 問2は、2種類の粒子(A・B)からなるダストを並列2基の集じん装置で処理するとき、出口ダスト濃度が最も低くなるガスの分配比(Q1:Q2)を求める計算問題です。正しい分配比を選びます。
この問題のポイント
並列に分けた装置は、それぞれ粒子ごとに集じん率が異なります。出口に残る量は「各装置を通り抜けた分(通過率×流入量)の合計」で決まります。ガスをどちらへ多く流すかで出口濃度がどちら向きに動くかを、通過率(=1-集じん率)で式にして調べるのが筋道です。分かれ目は、多いほうの粒子を最も高い集じん率で捕まえられる装置へ集中させるという向きに気づけるかどうかです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
解き方の手順
通過率=1-集じん率で整理します。装置1はA粒子の通過率0.05・B粒子0.20、装置2はA粒子0.15・B粒子0.05です。入口のA:B=2:1なので、全流量のうち装置1へ流す割合を x(装置2へは 1-x)とおきます。
- 出口のA量 = 2×{0.05x + 0.15(1-x)} = 0.30 - 0.20x
- 出口のB量 = 1×{0.20x + 0.05(1-x)} = 0.05 + 0.15x
- 合計 = 0.35 - 0.05x
合計は x が大きいほど小さくなります。したがって x=1、つまり全量を装置1へ流すのが最小で、分配比はQ1:Q2=1:0。選択肢(1)が正解です。
ここが分かれ目
入口ではA粒子がB粒子の2倍あります。そのA粒子を最も高く捕集できるのは装置1(A 95%)です。装置2はB粒子に強い(B 95%)のですが、そもそもBは少量なので効き目が小さく、装置2へ回すとAの取りこぼしが増えて出口濃度はかえって高くなります。2基に分けるより、多いA粒子に強い1基へ集中させたほうが有利、というのがこの問題の核心です。
覚え方
- 出口濃度=通過率(1-集じん率)×流入量の合計で立式。
- 並列分配は「多い粒子を最も強い装置へ集中」が基本の向き。
- 比例1次式なら端(0か1)が最小・最大。中間で最適にならないことが多い。
理解度チェック
出口ダスト量を式にするとき、集じん率そのものではなく何を掛ける?
通過率(1-集じん率)です。装置を通り抜けて出口に残る割合が通過率だからです。
この問題で全量を装置1へ流すのが有利なのはなぜ?
入口で多いA粒子(B比2倍)を、A粒子に最も強い装置1(95%)で捕集できるからです。少量のBに強い装置2へ回す利得より、Aの取りこぼしを抑える効果が勝ります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月