音はどんなときに反射して、どんなときに通り抜けるの?で迷いませんか。カギは「音響インピーダンス(ρc)の差」。差が大きい境界ほど、音は跳ね返ります。
この記事の要点
音が別の媒質との境界に当たると、一部は反射し、一部は透過します。どれだけ反射するかは、両側の音響インピーダンスで決まります。
音が、空気から壁へ、空気から水へ、というように別の媒質との境界に当たると、一部は跳ね返り(反射)、一部は進んでいきます(透過)。この反射のしやすさを決めるのが、音響インピーダンスです。
音響インピーダンス(固有音響インピーダンス)とは、媒質の「音の通しにくさ」を表す量で、密度ρ × 音速c(記号で ρc)で表されます。
空気のように軽くて音速も小さい媒質はρcが小さく、水や壁のように重い媒質はρcが大きくなります。つまり、空気と壁とでは、音響インピーダンスが大きく違います。
境界の両側で音響インピーダンスが大きく違うほど、音は反射しやすくなります。
空気中の音が硬い壁でよく跳ね返るのは、空気と壁の音響インピーダンスが大きく違うためです。
両側のρcの差が大きいほどよく反射し、等しいと反射せず全部透過する。
媒質1(ρ₁・c₁)から媒質2(ρ₂・c₂)へ音が垂直に入るとき、音の強さの反射率 r₀ は次の式で表されます。
r₀ = { (ρ₁c₁ − ρ₂c₂) ÷ (ρ₁c₁ + ρ₂c₂) }²
分子の (ρ₁c₁ − ρ₂c₂) がインピーダンスの差です。ρ₁c₁ = ρ₂c₂(両側のインピーダンスが等しい)なら、分子が0になり反射率は0、つまり全部透過します。差が大きいほど反射率は1に近づきます。
反射率は、騒音・振動概論で、計算問題として問われます。
令和7年度の騒音・振動概論(問16)では、密度と音速が異なる2つの媒質の境界に垂直入射する音の、強さの反射率を式で表す問題が出ました。正しい式は r₀ = {(ρ₁c₁ − ρ₂c₂)÷(ρ₁c₁ + ρ₂c₂)}² です。差(分子)と和(分母)の組み合わせ、そして2乗を取り違えないようにします。
混同しやすい用語
反射する境界 と 透過する境界
音響インピーダンス(ρc)の差で逆になります。
差が大きい境界(空気と壁など)はよく反射し、差がない(等しい)境界は反射せず全透過します。
「インピーダンスが違うほど跳ね返る」と、差に注目して覚えます。
境界の両側で音響インピーダンス(ρc)が等しいとき、音はどうなるか。
答え:反射せず、全部透過する(反射率0)
反射率の式の分子(ρ₁c₁−ρ₂c₂)が0になるためです。
音響インピーダンスは、何で表されるか。
答え:密度ρ × 音速c(ρc)
媒質の「音の通しにくさ」を表します。
音の反射のしやすさは、境界の両側の音響インピーダンスで決まります。
音響インピーダンスはρc(密度×音速)。両側のρcの差が大きい境界ほどよく反射し、等しいと反射せず全部透過します。反射率は r₀={(ρ₁c₁−ρ₂c₂)/(ρ₁c₁+ρ₂c₂)}² です。
「インピーダンスの差が反射を決める」と押さえておきます。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
反射率は音響インピーダンス(ρc)の差で決まること、式の形が狙われます。
両側のρcが等しいと反射率0(全透過)、差が大きいほどよく反射します。式は差÷和の2乗(r₀={(ρ₁c₁−ρ₂c₂)/(ρ₁c₁+ρ₂c₂)}²)で、2乗を忘れないようにします。