令和5年度 公害防止管理者 大気有害物質特論 問4を解説|ガス吸着
令和5年度 大気有害物質特論 問4は、ガス吸着の基本に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
吸着は、ガス分子を吸着剤の表面に捕える操作です。吸着等温線・脱着・物理吸着と化学吸着の区別など用語の定義を押さえるのが基本になります。引っかけの核心は、代表的な吸着剤であるシリカゲルと活性炭の極性の大小です。シリカゲルは表面に水酸基をもつ親水性(極性が大きい)吸着剤で、無極性の有機物をよく吸う活性炭とは性格が逆です。この大小を反対に書いた選択肢を見抜けるかが分かれ目になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 吸着等温線は、一定温度でのガス濃度と平衡吸着量の関係を表す曲線です。定義として正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 分圧が下がるか温度が上がると、吸着していた物質が気相へ離れます。脱着の説明として正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | シリカゲルの極性が活性炭に比べて小さいとする点が誤りです。シリカゲルは親水性で、極性は活性炭より大きい吸着剤です。 |
| (4) | ○(正しい) | 吸着剤表面で化学反応(化学結合)を伴う吸着は化学吸着と呼ばれます。用語として正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | ハロゲン系化合物を含むと活性炭表面が分解触媒として働き、腐食性ガスを生じることがあります。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
シリカゲルは表面に水酸基(シラノール基)をもつ親水性の吸着剤で、水蒸気など極性の高い分子をよく吸着します。つまり極性は大きいほうです。一方、活性炭は炭素系で表面がほぼ無極性のため、有機溶剤など極性の低い分子を得意とします。選択肢(3)はこの関係を逆にして、「シリカゲルは活性炭に比べて極性が小さい」と書いている点が誤りです。なお、シリカゲルの吸着がファンデルワールス力(物理吸着)によるという後半部分自体は正しく、極性の大小だけがすり替えられています。
覚え方
- シリカゲルは親水性=極性が大きい。水蒸気をよく吸う。
- 活性炭は無極性=有機溶剤など極性の低い物質を得意とする。
- 脱着=分圧が下がるか温度が上がると気相へ戻る。化学反応を伴えば化学吸着。
理解度チェック
Q.
シリカゲルと活性炭で、極性が大きい(親水性)のはどちら?
シリカゲルです。表面の水酸基により親水性で、水蒸気など極性分子をよく吸着します。活性炭は無極性で、極性の低い有機物を得意とします。
Q.
脱着はどんなときに起こる?
被吸着物質の分圧が下がるか、温度が上がるときです。吸着剤から物質が離れて気相に戻ります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 大気有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年6月