令和5年度 大気有害物質特論 問1は、カドミウム及びその化合物の性質に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
カドミウムは亜鉛と性質が似ており、亜鉛鉱石である閃亜鉛鉱の中に少量混じって産出します。そのため精錬の過程で大気側に出てくるのが排出源になります。各選択肢は金属としての見た目や沸点、化合物の種類、顔料としての用途など基本知識を並べていますが、引っかけの核心は閃亜鉛鉱の焙焼炉ダスト中に含まれるカドミウム化合物が何で、どれくらいの濃度かという一点です。鉱石中にあるのは硫化物であって硫酸塩ではない、という形の取り違えを狙っています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | カドミウムは白色で光沢のある金属で、沸点は比較的低く揮発しやすい性質があります。記述は正しいです。 |
| (2) | ○(正しい) | 塩化物・酸化物・シアン化物など、カドミウムはさまざまな化合物を作ります。例として挙げた化合物は正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 閃亜鉛鉱は亜鉛の硫化鉱で、そこに少量の硫化カドミウムが含まれます。産出形態として正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 焙焼炉ダスト中に含まれるカドミウムを硫酸カドミウムとする点が誤りです。鉱石由来で問題になるのは硫化カドミウムであり、化合物名が取り違えられています。 |
| (5) | ○(正しい) | 硫化カドミウムを主成分とするカドミウムイエローは、鮮明で着色性・耐熱性に優れた黄色顔料です。用途として正しい記述です。 |
閃亜鉛鉱はもともと硫化物の鉱石で、その中に混じるカドミウムも硫化カドミウムの形をとります。これを焙焼する炉から飛び散るダストにも、カドミウムは硫化物を中心とした形で含まれます。選択肢(4)はこれを「硫酸カドミウム」と書き換えている点が誤りです。硫化と硫酸は字面が似ていますが別物で、鉱石・ダスト中で主体になるのは硫化物のほうです。化合物名のすり替えを見抜けるかが分かれ目です。
閃亜鉛鉱や、その焙焼炉ダスト中で主体となるカドミウム化合物の形は?
硫化カドミウムです。閃亜鉛鉱は硫化鉱なので、そこに混じるカドミウムも硫化物の形をとります。硫酸カドミウムとするのは誤りです。
カドミウムイエローの主成分と特徴は?
主成分は硫化カドミウムで、色調が鮮明な黄色顔料です。着色性と耐熱性に優れます。
この問題に関連する用語解説
出典
※ この記事の確認日:2026年6月