令和4年度 公害防止管理者 大気有害物質特論 問10を解説|カドミウム分析
令和4年度 大気有害物質特論 問10は、JISによる排ガス中のカドミウム分析方法(電気加熱原子吸光法)に関する正誤問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
電気加熱原子吸光法は、試料を黒鉛炉に入れて乾燥・灰化・原子化し、カドミウム特有の波長で吸光度を測る高感度な方法です。マトリックスモディファイヤーとして硝酸パラジウム(II)を使い、規定の分析法の中で適用濃度範囲の上限が最も小さい、といった特徴が問われます。分かれ目は、どの方法で定量値を求めるかです。電気加熱原子吸光法は共存成分(マトリックス)の影響を強く受けるため、定量には標準添加法を用います。検量線法によると書かれていたら、マトリックスの影響を見落としています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 測定波長はフレーム原子吸光法の場合と同じという正しい記述です。カドミウム特有の波長を用います。 |
| (2) | ○(正しい) | マトリックスモディファイヤーとして硝酸パラジウム(II)を用いるという正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 試料注入後に乾燥・灰化・原子化し、波長228.8 nmの指示値を読み取るという正しい手順です。 |
| (4) | ×(誤り) | 電気加熱原子吸光法は共存成分の影響が大きく、定量は標準添加法で行います。「検量線法によって定量する」は誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 高感度な方法のため、規定のカドミウム分析方法の中で適用濃度範囲の上限が最も小さいという正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
電気加熱原子吸光法は、試料を黒鉛炉で強く加熱して原子化するため感度が高い一方、試料に含まれる共存成分(マトリックス)の影響を受けやすいという弱点があります。標準液だけで作った検量線に当てはめる検量線法では、この影響で誤差が生じます。そこで、試料そのものに既知量のカドミウム標準を加えて測る標準添加法で定量します。選択肢(4)は定量法を「検量線法」とした点が誤りで、正しくは標準添加法です。共存物の影響が大きい高感度法では標準添加法、と結び付けて覚えます。
覚え方
- 電気加熱原子吸光法は共存成分の影響が大きい→標準添加法で定量。検量線法ではない。
- マトリックスモディファイヤーは硝酸パラジウム(II)。測定波長は228.8 nm。
- 高感度=低濃度向き→適用濃度範囲の上限は最も小さい。
理解度チェック
電気加熱原子吸光法でカドミウムを定量するとき、どの方法を用いるか?
標準添加法です。共存成分の影響が大きいため、試料に標準を加えて測ります。検量線法ではありません。
電気加熱原子吸光法で用いるマトリックスモディファイヤーは何か?
硝酸パラジウム(II)です。原子化の過程を安定させ、共存成分の影響を抑える役割を担います。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大気有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月