令和3年度 公害防止管理者 大気有害物質特論 問5を解説|ガス吸着装置
令和3年度 大気有害物質特論 問5は、ガス吸着装置(固定層・移動層・流動層)の特徴に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
カートリッジ式の固定層、濃度の高いガスを連続処理する際の2基以上の吸着塔による吸着‒脱着サイクル、移動層でのガスとの接触、ハニカム形ローター式による低濃度ガスの濃縮、流動層の処理量と摩損などが問われます。分かれ目は、移動層で吸着剤が移動する向きです。移動層では吸着剤が重力で上から下へ移動します。「下部から上部へ移動させる」と書かれていたら、向きが逆になっています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 固定層吸着装置に、吸着剤の取り出しが容易なカートリッジ式があるという正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 濃度の高いガスを連続的に吸着する場合、2基以上の吸着塔で吸着‒脱着のサイクルを繰り返すという正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 移動層で吸着剤を下部から上部へ移動させるとした点が誤りです。移動層では吸着剤が重力で上部から下部へ移動し、そこへガスを向流や十字流で接触させます。向きが逆です。 |
| (4) | ○(正しい) | ハニカム形ローター式吸着装置が、低濃度ガスの濃縮に使われるという正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 流動層は移動層よりガス速度を大きくとれて処理量が大きい反面、吸着剤の摩損も大きいという正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
移動層吸着装置は、吸着剤を充塡状態のまま塔内でゆっくり動かし、上部から入れた吸着剤を重力で上部から下部へ移動させながら、そこへガスを向流あるいは十字流で接触させます。選択肢(3)は、この移動の向きを「下部から上部へ」と逆に書いている点が誤りです。吸着剤は自重で下へ落ちていくのが自然で、下から上へ持ち上げていくわけではありません。移動層=吸着剤が上から下へ、と向きをはっきり覚えておくと、この種の入れ替えに引っかかりません。
覚え方
- 移動層=吸着剤は上部から下部へ(重力で下降)。ガスは向流・十字流。
- 固定層=カートリッジ式あり。濃いガスの連続処理は2基以上で吸着‒脱着。
- 流動層=ガス速度大・処理量大だが摩損大。ハニカムローターは低濃度の濃縮。
理解度チェック
Q.
移動層吸着装置で、吸着剤はどの向きに移動する?
重力によって上部から下部へ移動します。ガスは向流あるいは十字流で接触させます。「下から上へ」は逆です。
Q.
流動層吸着装置の長所と短所は?
ガス速度を大きくとれて処理量が大きいのが長所ですが、吸着剤の摩損が大きいのが短所です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月