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令和3年度 公害防止管理者 大気有害物質特論 問1を解説|鉛化合物

令和3年度 大気有害物質特論 問1は、鉛及びその化合物の性質と製錬工程に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

鉛フュームの発生、方鉛鉱(硫化鉛)の製錬で焼結炉により硫黄分が二酸化硫黄として除かれること、溶鉱炉でコークスによって還元され粗鉛になること、排ガスダストの多くが酸化鉛であること、粗鉛から金・銀などの有価金属を回収する工程で鉛が揮散することなどが問われます。分かれ目は、鉛の蒸発が盛んになる温度をどのくらいの高さに置いているかです。鉛の融点は約327℃で、蒸発(フューム化)が盛んになるのは融点よりかなり高い温度域です。300℃程度という融点にも届かない低い温度で蒸発が盛んになると書かれていたら、温度の見積もりが低すぎて方向が逆になっています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)鉛が300℃程度から蒸発が盛んになるとした点が誤りです。鉛の融点は約327℃で、蒸発が盛んになるのはそれよりかなり高い温度です。300℃は融点にも達しない低温で、蒸発が盛んになる温度としては低すぎます。
(2)○(正しい)方鉛鉱の製錬で、焼結炉により硫黄分が二酸化硫黄として除かれるという正しい記述です。
(3)○(正しい)焼結炉で得た鉛の酸化物を、溶鉱炉でコークス(炭素)によって還元して粗鉛とするという正しい流れです。
(4)○(正しい)焼結炉・溶鉱炉からの排ガスに含まれるダストの多く(60〜70%)が酸化鉛であるという正しい記述です。
(5)○(正しい)粗鉛に含まれる金・銀などの有価金属を回収する工程で、鉛が揮散するという正しい記述です。

選択肢(1)のポイント(ここが誤り)

鉛は融点が約327℃の金属で、固体や融け始めた直後の低温では蒸気圧が低く、蒸発(フューム化)は盛んになりません。金属蒸気が空気中で酸化・凝縮して微粒子の鉛フュームになるには、融点を大きく超えた高温が必要です。選択肢(1)は「300℃程度から蒸発が盛んになる」と、融点にも届かない低温で蒸発が盛んになるかのように書いている点が誤りです。温度を低く見せて「低温でもさかんに蒸発する」と思い込ませる引っかけで、実際には蒸発が盛んになる温度は融点よりずっと高い側にあります。

覚え方

  • 鉛フュームは高温で発生。融点約327℃を超え、さらに高温で蒸発が盛ん。
  • 方鉛鉱の製錬=焼結炉で脱硫(SO₂へ)→溶鉱炉でコークス還元→粗鉛。
  • 排ガスダストの大半は酸化鉛。粗鉛の精製工程で金・銀を回収し鉛が揮散。

理解度チェック

Q.

鉛の蒸発が盛んになるのは、融点(約327℃)に対してどのような温度域?

融点よりかなり高い高温域です。300℃のような融点未満の低温では、蒸発は盛んになりません。

Q.

方鉛鉱の製錬で、硫黄分はどの炉でどんな形で除かれる?

焼結炉で、硫黄分は二酸化硫黄(SO₂)として除かれます。その後、溶鉱炉でコークス還元して粗鉛にします。

この問題に関連する用語解説

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気有害物質特論 問題・正解」(公式PDF