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令和元年度 公害防止管理者 大気有害物質特論 問10を解説|鉛のICP質量分析

令和元年度 大気有害物質特論 問10は、JISのICP質量分析法による排ガス中の鉛の分析方法に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

試料溶液の硝酸濃度の調整、内標準物質としてのイットリウム溶液の添加、質量/荷電数のイオンカウント比による定量、他元素の同時定量など、ICP質量分析法の特徴が並びます。分かれ目は、ICP質量分析法の適用濃度範囲の下限は、他の鉛分析法と比べて高いのか低いのかです。ICP質量分析法は非常に感度が高く、微量の鉛まで測れる方法なので、適用濃度範囲の下限は他法と比べて最も低くなります。「下限が最も高い」と書かれていたら、高感度という特徴と方向が逆になっています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)試料溶液を硝酸の最終濃度が0.1〜0.5 mol/Lになるように調整するという正しい記述です。
(2)○(正しい)内標準物質として試料溶液にイットリウム溶液を加えるという正しい記述です。測定のばらつきを補正します。
(3)○(正しい)鉛と内標準物質それぞれの質量/荷電数のイオンカウントを測定し、その比から鉛を定量するという正しい記述です。
(4)○(正しい)ニッケルやマンガンなども同時に定量できるという正しい記述です。多元素同時分析はICP質量分析法の利点です。
(5)×(誤り)適用濃度範囲の下限が最も高いとした点が誤りです。ICP質量分析法は高感度で、下限はむしろ他法と比べて最も低くなります。

選択肢(5)のポイント(ここが誤り)

ICP質量分析法は、目的元素のイオンを質量ごとに数えて定量する方法で、鉛の分析法の中でも特に感度が高いのが特徴です。感度が高いということは、ごく微量の鉛まで測れるということなので、適用濃度範囲の下限は最も低くなります。選択肢(5)は、この下限を「最も高い」として、高感度という特徴と方向を逆に書いている点が誤りです。下限が高い=微量が測れない、という意味になり、他法より高感度なICP質量分析法の実態と食い違います。「高感度=下限が低い(より微量まで測れる)」と結びつけて覚えておくと逆にしません。

覚え方

  • ICP質量分析法は高感度で下限が最も低い。微量まで測れる。
  • 内標準物質はイットリウム。鉛との比で定量。
  • ニッケルやマンガンなど多元素を同時定量できる。

理解度チェック

Q.

ICP質量分析法の適用濃度範囲の下限は、他の鉛分析法と比べてどうか?

最も低いです。高感度でごく微量の鉛まで測れるため、下限が他法より低くなります。「最も高い」は方向が逆です。

Q.

ICP質量分析法で内標準物質として加えるのは?

イットリウム溶液です。鉛とイットリウムのイオンカウントの比を求めることで、測定のばらつきを補正して定量します。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大気有害物質特論 問題・正解」(公式PDF