令和元年度 公害防止管理者 大気有害物質特論 問1を解説|カドミウムとその化合物
令和元年度 大気有害物質特論 問1は、カドミウム及びその化合物の性質と製錬過程での存在形態に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
カドミウムが白色で光沢のある金属で沸点が比較的低いこと、塩化物や硫酸塩などの化合物をつくること、亜鉛の製錬でカドミウムがどの形で鉱石に含まれ、焙焼や焙焼ダストの中でどう濃縮されるかが問われます。分かれ目は、代表的な亜鉛鉱である閃亜鉛鉱の中に、カドミウムがどんな化合物として含まれているかです。閃亜鉛鉱は硫化亜鉛を主成分とする硫化物鉱で、そこに随伴するカドミウムも硫化カドミウムの形で存在します。ここを「酸化カドミウムとして含まれる」と書いてあれば、硫化物鉱という母体と食い違っています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | カドミウムは白色で光沢のある金属で、沸点が亜鉛・マンガン・銅より低いという正しい記述です。沸点が低いため加熱で気化・濃縮しやすい性質につながります。 |
| (2) | ○(正しい) | 塩化カドミウム・硫酸カドミウム・シアン化カドミウムなどの化合物をつくるという正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 閃亜鉛鉱中にカドミウムが酸化カドミウムとして含まれるとした点が誤りです。閃亜鉛鉱は硫化亜鉛を主成分とする硫化物鉱で、随伴するカドミウムも硫化カドミウムの形で含まれます。 |
| (4) | ○(正しい) | 亜鉛精鉱を900℃程度で焙焼して得られる焼結鉱にカドミウムが0.04〜0.07%程度含まれるという正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 焙焼炉から出るダスト中にカドミウムが濃縮され、カドミウムスポンジの原料になるという正しい記述です。沸点が低く気化しやすい性質と整合します。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
亜鉛の主要鉱石である閃亜鉛鉱は硫化亜鉛を主成分とする硫化物鉱で、亜鉛と化学的に似た挙動をするカドミウムも、この鉱石の中では硫化カドミウムとして存在します。硫化物鉱を母体としているのですから、そこに含まれるカドミウムを「酸化カドミウム」と酸化物で書いている点が誤りです。酸化物は、この硫化物鉱を焙焼(空気中で加熱)して硫黄分を追い出したあとに生じる形であって、鉱石中にもとから酸化物で入っているわけではありません。硫化物鉱→焙焼→酸化物という順序を押さえておくと取り違えません。
覚え方
- 閃亜鉛鉱は硫化亜鉛の鉱石。カドミウムも硫化カドミウムで随伴。
- 硫化物→焙焼で酸化物へ。鉱石中は硫化物、酸化物は焙焼後。
- カドミウムは沸点が低く気化しやすい。焙焼ダストに濃縮され回収原料になる。
理解度チェック
閃亜鉛鉱の中に、カドミウムはどんな化合物として含まれている?
硫化カドミウムです。閃亜鉛鉱は硫化亜鉛を主成分とする硫化物鉱で、カドミウムも硫化物の形で随伴します。酸化物は焙焼後に生じる形です。
焙焼炉のダスト中にカドミウムが濃縮されるのはなぜ?
カドミウムは沸点が低く気化しやすいためです。加熱で気化してダスト側に集まり、カドミウムスポンジの原料として回収されます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大気有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月