令和5年度 大気特論 問11は、拡大Zeldovich機構に基づくサーマルNOxの生成に関する問題です。理論燃焼温度における生成NO濃度を、空気比と滞留時間の関係で表したグラフのうち、正しいものを選びます。
サーマルNOxは、高温の燃焼ガス中で空気由来の窒素N2と酸素O2が反応して生じるNOです。拡大Zeldovich機構では、この生成は温度・酸素濃度・反応に使える時間(滞留時間)に強く左右されます。グラフを選ぶカギは2つの向きです。ひとつは滞留時間で、反応が進む時間が長いほど生成NO濃度は増える方向に動きます。もうひとつは空気比で、酸素が増えるとはじめはNO生成に有利ですが、空気比を上げすぎると過剰空気で火炎温度が下がるため、NO濃度はある空気比で最大となる山型を描きます。この「滞留時間が長いほど増える」「空気比に対して山型」という2つの傾向を同時に満たすグラフが正解です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
| 見分ける軸 | 正しいグラフが満たす条件 |
|---|---|
| 滞留時間 | 反応に使える時間が長いほど生成NO濃度は大きくなる(時間とともに増加する向き)。 |
| 空気比 | 酸素不足側でも過剰側でもNOは伸びず、適度な空気比でNO濃度が最大になる山型を示す。 |
| 温度との関係 | 空気比を上げすぎると過剰空気で火炎温度が下がり、サーマルNOxの生成が落ちる。 |
誤りのグラフは、この2つの向きのどちらかを取り違えています。たとえば「空気比が大きいほど単調にNOが増え続ける」形は、過剰空気による火炎温度の低下を無視している点で誤りです。また「滞留時間に関係なくNO濃度が一定」あるいは「時間とともに減る」形も、反応時間が長いほど生成が進むという拡大Zeldovich機構の基本に反します。正しい選択肢(1)は、滞留時間が長いほどNOが増え、かつ空気比に対しては山型のピークを持つという、両方の傾向を正しく表したグラフです。
滞留時間が長くなると、サーマルNOxの生成NO濃度はどう変化する?
増加します。拡大Zeldovich機構では反応に使える時間が長いほどNO生成が進むためです。
空気比を上げ続ければサーマルNOxは増え続ける?
増え続けません。空気比を上げすぎると過剰空気で火炎温度が下がり、生成が落ちるため、適度な空気比でNO濃度が最大になる山型になります。
この問題に関連する用語解説
出典
※ この記事の確認日:2026年6月