令和4年度 公害防止管理者 大気特論 問8を解説|石灰スラリー吸収法
令和4年度 大気特論 問8は、排煙脱硫プロセスの石灰スラリー吸収法に関する問題です。吸収剤・スート処理方式・酸化方式などの記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
石灰スラリー吸収法は、石灰石や消石灰のスラリーでSO2を吸収し、酸化して石こうとして回収するしくみです。スート(すす)を分離するか混合するかで石こうの品質やコストが変わる、といった比較は素直に読めます。分かれ目は酸化のしかたで、亜硫酸を石こうへ酸化する別置き酸化方式では、酸化を進めるためにpHを下げる操作(硫酸の添加)が必要になります。これを「不要」と書いた記述が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 吸収剤として石灰石または消石灰を5〜15%含むスラリーが用いられます。 |
| (2) | ○(正しい) | スート分離方式はすすを分けるため、混合方式より石こうの品質を高められます。 |
| (3) | ○(正しい) | スート混合方式は設備が簡素で、分離方式よりイニシャルコストが安くなります。 |
| (4) | ×(誤り) | 別置き酸化方式の酸化工程ではpH調整のため硫酸の添加が必要で、不要とするのは誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 吸収塔酸化方式では、石こうを分離したろ液を再利用できます。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
吸収塔で生じた亜硫酸系の成分を石こう(硫酸カルシウム)まで空気酸化するとき、酸化の進みやすさは液のpHに左右されます。別置き酸化方式では吸収塔とは別の槽で酸化するため、酸化を促進できるようにpH調整槽で硫酸を添加してpHを下げる操作が必要です。選択肢(4)はこれを「硫酸の添加が不要になる」と述べており、必要な操作を不要としている点が誤りです。酸化を進めるには適切なpHへ下げる、という手順を押さえておきます。
覚え方
- 石灰スラリー吸収法=SO2を吸収→酸化→石こう回収。
- 別置き酸化方式の酸化工程はpHを下げる=硫酸添加が必要(不要は誤り)。
- スート分離は石こう高品質、スート混合はイニシャルコスト安。
理解度チェック
Q.
別置き酸化方式の酸化工程で硫酸を添加するのはなぜ?
酸化を進めやすくするためpHを下げる調整が必要だからです。硫酸添加が不要とするのは誤りです。
Q.
スート分離方式とスート混合方式の違いは?
分離方式はすすを分けるため石こうの品質が高く、混合方式は設備が簡素でイニシャルコストが安いという違いがあります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月