令和4年度 公害防止管理者 大気特論 問6を解説|高温腐食とバナジウムアタック
令和4年度 大気特論 問6は、重油燃焼ボイラーの高温腐食においてバナジウムアタックを促進する物質を選ぶ問題です。5つの物質から該当するものを選びます。
この問題のポイント
バナジウムアタックは、重油の灰に含まれるバナジウムの酸化物が高温で溶けて金属表面の保護皮膜を壊し、腐食を進める現象です。ここで効いてくるのがナトリウム分で、バナジウムとナトリウムが共存すると融点の低い化合物ができ、いっそう腐食が進みます。分かれ目は、ナトリウムを含む物質のうち高温腐食を促進する代表として硫酸ナトリウムを選べるかです。カルシウム系の塩や塩化物ではなく、ナトリウムと硫黄の組合せがカギになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の判定
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 塩化ナトリウムはナトリウムを含みますが、バナジウムアタックを促進する代表物質としては該当しません。 |
| (2) | ○ | 硫酸ナトリウム。ナトリウム分がバナジウムと共存し低融点化合物をつくって高温腐食を促進します。 |
| (3) | × | 塩化カルシウムはカルシウム系で、バナジウムアタックの促進物質ではありません。 |
| (4) | × | 硫化カルシウムもカルシウム系で該当しません。 |
| (5) | × | 硫酸カルシウムはカルシウム系で、むしろ灰の融点を上げる側で促進物質ではありません。 |
選択肢(2)のポイント
高温腐食(バナジウムアタック)のカギはナトリウムとバナジウムの共存です。重油灰中のバナジウム酸化物だけでも腐食性はありますが、そこにナトリウム分が加わると融点の低いバナジン酸ナトリウム系の溶融物ができ、金属表面の酸化皮膜を溶かして腐食を一段と進めます。選択肢の中でこの条件を満たすのは硫酸ナトリウムです。カルシウム系の塩((3)〜(5))はこの低融点溶融物をつくらず、促進物質にはなりません。「ナトリウム+硫黄」がバナジウムアタックを後押しする、と結び付けて覚えるのがコツです。
覚え方
- バナジウムアタック促進のカギはナトリウム分(硫酸ナトリウム)。
- V+Naで低融点の溶融物ができ、保護皮膜を溶かして高温腐食が進む。
- カルシウム系の塩は促進物質ではない。
理解度チェック
バナジウムアタックを促進するのはどんな成分の共存?
ナトリウム分とバナジウムの共存です。低融点の化合物ができ、保護皮膜を溶かして高温腐食を進めます。代表物質は硫酸ナトリウムです。
カルシウム系の塩はバナジウムアタックを促進する?
促進しません。ナトリウムのような低融点溶融物をつくらないためで、促進物質はナトリウム系です。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月