令和7年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問12を解説|マルチサイクロン
令和7年度 大気関係技術特論 問12は、多数の小形サイクロンを並べたマルチサイクロンに関する問題です。構造や運転上の特徴についての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
マルチサイクロンは、小形の単位サイクロンをたくさん並べて処理量を確保しつつ、小径ならではの高い集じん率をねらう装置です。ただし径が小さいほど、粘着性のあるダストでは詰まりやすくなります。分かれ目は、粘着性ダストを扱うときの単位サイクロンの寸法で、「できるだけ小さい寸法を使う」とした記述が紛れています。閉塞を避ける観点で寸法の向きを取り違えないことがポイントです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | マルチサイクロンは、多数の小形サイクロンを並べて構成した装置です。 |
| (2) | ○(正しい) | 単位サイクロンには、通常、軸流式反転形のものが用いられます。 |
| (3) | ×(誤り) | 粘着性ダストでは小径ほど詰まりやすいため、集じん率に大きな差がない範囲でできるだけ大きい寸法の単位サイクロンを使うのが適切で、小さい寸法とするのは逆です。 |
| (4) | ○(正しい) | 各サイクロンは入口・出口の部屋だけでなく、ダストホッパーも共通につながっています。 |
| (5) | ○(正しい) | 各サイクロンの渦芯に生じる旋回上昇流により、いったん落ちたダストを吸い上げる傾向があります。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
粘着性ダストのときにできるだけ小さい寸法の単位サイクロンを使うとした点が誤りです。単位サイクロンは径が小さいほど集じん率は上がりますが、そのぶん流路も狭く、粘着性のあるダストでは目詰まり(閉塞)を起こしやすくなります。そのため粘着性ダストでは、集じん率に大きな差が出ない範囲で、むしろ大きい寸法の単位サイクロンを選ぶのが実際の考え方です。寸法の向きが逆になっている点がひっかけです。
覚え方
- 粘着性ダスト=大きい寸法のサイクロン(小径は閉塞しやすい)。
- 単位サイクロンは小径ほど高効率だが目詰まりに弱い。
- マルチサイクロン=小形サイクロンの並置、ダストホッパーも共通。
理解度チェック
Q.
粘着性ダストに大きい寸法の単位サイクロンを選ぶのはなぜ?
径が小さいと流路が狭く目詰まり(閉塞)を起こしやすいため、集じん率に大差のない範囲で大きめの寸法を選びます。
Q.
単位サイクロンの渦芯で起こる旋回上昇流は何を招く?
いったん落ちたダストを吸い上げる傾向を招き、再飛散の原因になります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月