令和6年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問19を解説|セメント製造のSOx対策
令和6年度 大気関係技術特論 問19は、セメント製造工程のSOx対策に関する問題です。文中のア~ウに入る語句・数値の正しい組合せを選びます。
この問題のポイント
セメントの製造では、原料の石灰石をキルンで高温焼成する過程でSO2が発生しますが、原料自体がアルカリ性の石灰質のため、その多くがプロセス内で吸着され、外部に脱硫装置を付けなくても高い脱硫率が得られます。分かれ目は三つで、SO2が吸着される場所をプレヒーター部と読むか高温のキルン本体と読むか、吸着する原料成分を石灰石とみるか活性炭とみるか、そして脱硫率の水準を97~99%という高い値とみるか低めにみるかです。示された温度領域400~1000 ℃はキルン本体(約1450 ℃)ではなく、その手前で原料を予熱するプレヒーター部の温度帯にあたる点が手がかりです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)
各選択肢の正誤
| 空欄 | 入る語句・数値 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | プレヒーター部 | 400~1000 ℃という温度帯は、約1450 ℃のキルン本体ではなく、原料を予熱するプレヒーター部に相当します。 |
| イ | 石灰石 | セメント原料の主成分である石灰石(カルシウム分)が、SO2と反応して吸着します。 |
| ウ | 97~99 | 原料自体がSO2を吸着するため、外部装置なしでも97~99%程度という高い脱硫率になります。 |
ここが分かれ目
SO2が吸着されるのは、原料を予熱するプレヒーター部です。400~1000 ℃という温度領域は、焼成が進むキルン本体の高温域ではなく、その手前の予熱段階にあたります。ここで働く吸着剤は外から加える活性炭ではなく、セメント原料そのものである石灰石のカルシウム分で、これがSO2を取り込みます。原料自体が脱硫剤の役目を果たすため、97~99%程度という高い脱硫率が装置を追加しなくても得られます。「ロータリーキルン・活性炭・80~90%」と取り違えないことが要点です。
覚え方
- SO2を吸着するのはプレヒーター部の石灰石。
- 吸着が起こる温度領域は400~1000 ℃(キルン本体の高温域ではない)。
- 原料自体が脱硫剤。だから脱硫率は97~99%と高い。
理解度チェック
セメント製造でSO2が吸着されるのは、キルン本体とプレヒーター部のどちら?
プレヒーター部です。400~1000 ℃という温度帯は、約1450 ℃のキルン本体ではなく原料を予熱する部分にあたります。
セメント製造工程の脱硫率が高いのはなぜ?
セメント原料の石灰石そのものがSO2を吸着するためです。原料が脱硫剤の役目を果たし、97~99%程度が脱硫されます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月