令和6年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問12を解説|重力集じん装置の分離限界粒径
令和6年度 大気関係技術特論 問12は、重力集じん装置の沈降室で、高さと奥行きを2倍、気流の水平方向速度を1/2にしたとき、100%分離限界粒径が元の何倍になるかを問う計算問題です。
この問題のポイント
重力集じん装置は、粒子が沈む速さと、粒子がガスとともに室内に留まる時間の兼ね合いで捕集が決まります。層流でストークス域なら、沈降速度は粒子径の2乗に比例します。100%分離限界粒径は、天井から入った粒子がちょうど床に届く条件から決まり、沈降室の高さ・水平速度・奥行きの組合せに比例関係で結び付きます。分かれ目は、この比例関係を正しく立て、3つの変化をまとめて代入できるかどうかです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 1/2倍。比例関係を粒子径そのもの(1乗)と取り違えると出る値です。 |
| (2) | ○(正しい) | 1/√2倍。高さ×水平速度/奥行きが1/2倍になり、その平方根が粒子径の変化です。 |
| (3) | ×(誤り) | 1倍。3つの変化が打ち消し合うと誤って考えると出ます。 |
| (4) | ×(誤り) | √2倍。比例関係の分子・分母を逆に立てると出る値です。 |
| (5) | ×(誤り) | 2倍。平方根を取り忘れると出る値です。 |
ここが分かれ目
層流の沈降室では、100%分離限界粒径 dp は、次の比例関係で表せます。粒子が天井から床(高さH)まで沈む間に、ガスの滞留時間(奥行きL÷水平速度uの逆数の関係)で室を抜けきる粒径が限界です。沈降速度は dp² に比例するので、整理するとdp ∝ √(H × u / L) となります。ここに、H→2倍、奥行きL→2倍、u→1/2倍を代入すると、H×u/L は (2×1/2)/2 = 1/2倍。粒子径はその平方根なので、dp ∝ √(1/2) = 1/√2倍です。平方根を取り忘れて1/2倍や2倍と答えるのが典型的な誤りです。
覚え方
- 重力集じんの限界粒径=√(高さ×水平速度/奥行き)に比例。
- 沈降速度は粒子径の2乗に比例。だから最後に平方根。
- 「高さ・速度・奥行き」を代入 → 比を出す → 平方根の順で計算。
理解度チェック
100%分離限界粒径は、高さ・水平速度・奥行きとどんな比例関係にある?
√(高さ×水平速度/奥行き) に比例します。沈降速度が粒子径の2乗に比例するためです。
高さ×水平速度/奥行きが1/2倍になったとき、粒子径は何倍?
その平方根で1/√2倍です。1/2倍と答えるのは平方根の取り忘れです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月