令和5年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問17を解説|沿岸地域の大気構造と拡散
令和5年度 大気関係技術特論 問17は、沿岸地域の大気構造と拡散に関する下線部問題です。文章中で下線を付した語句のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
海陸風は海と陸の温度差によって日変化する風で、日中は強い日射で陸が暖まり、海面上に比べて陸が相対的に低圧になって海から陸へ風が入ります。分かれ目は、陸が加熱されて生じる状態を表す語です。都市部が周囲より高温になる現象を指す「ヒートアイランド」を、海陸の温度差による低圧の形成に当てはめている点が誤りになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 海と陸の温度差で日変化する風を海陸風と呼ぶのは正しい説明です。 |
| (2) | ○(正しい) | 海陸風の水平スケールが数十kmに及ぶという規模感は正しいです。 |
| (3) | ○(正しい) | 夏季の強い日射で陸の地表面が加熱されるという流れは正しいです。 |
| (4) | ×(誤り) | 加熱で生じる状態を「ヒートアイランド」とする語が不適切で、ここが誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 上空の煙が内部境界層に侵入してヒュミゲーションを起こすという説明は正しいです。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
日射で陸が暖まり、海面上に比べて相対的に低圧になって海風が入る、という流れ自体は正しいものです。誤りは、その状態を「ヒートアイランド」と呼んでいる点です。ヒートアイランドは都市域が周囲より高温になる別の現象を指す語で、海陸の温度差から生じる低圧の形成をこの語で説明するのは適切ではありません。ここは、加熱された陸に生じる熱的な低圧が海風を呼び込む、という仕組みとして押さえます。
覚え方
- 海陸風=海と陸の温度差で日変化。水平スケール数十km。
- 日中は陸が加熱→相対的に低圧→海風が進入。
- ヒートアイランドは都市の高温化。海陸風の仕組みと混同しない。
- 上空の煙が内部境界層に侵入=ヒュミゲーション。
理解度チェック
Q.
日中に海から陸へ風が吹き込むのはなぜ?
陸が加熱され、海面上より相対的に低圧になるからです。
Q.
ヒュミゲーションが起こるのはどんなとき?
上空の煙が内部境界層に侵入したときに起こることがあります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月