令和4年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問19を解説|大規模設備の排出防止対策
令和4年度 大気関係技術特論 問19は、我が国の大規模設備(製油所・鉄鋼プロセス・石炭火力)における大気汚染物質の排出防止対策に関する問題です。各設備の記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
製油所・鉄鋼・石炭火力それぞれで、狙う汚染物質と代表的な対策設備が結び付いています。分かれ目は製油所の浮屋根タンクで、これは貯蔵中の揮発(炭化水素・VOC)による蒸発損失を抑える設備なのに、硫黄化合物の排出抑制のためと目的を取り違えた記述が紛れています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 浮屋根タンクは炭化水素(VOC)の蒸発損失を抑える設備です。硫黄化合物の排出抑制のためとするのは目的が違います。 |
| (2) | ○(正しい) | 鉄鋼プロセスにおけるSOxの最大の発生源は焼結炉で、様々な排ガス対策技術が開発・改良されてきました。 |
| (3) | ○(正しい) | 鉄鋼プロセスでは、発生したNOxを除去する技術と、発生そのものを抑える技術の改善が進められてきました。 |
| (4) | ○(正しい) | 石炭火力発電では、脱硫に湿式石灰石こう法が用いられます。 |
| (5) | ○(正しい) | 石炭火力発電では、脱硝に選択的触媒還元法(SCR)が用いられます。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
浮屋根タンクは、屋根が液面に浮いて気相の空間をなくす構造で、貯蔵中の炭化水素(VOC)の蒸発損失を減らすための設備です。選択肢(1)は、この目的を「硫黄化合物の排出を抑制するため」としており、抑えている対象が違います。実際に減らしているのは硫黄化合物ではなく揮発性の炭化水素です。設備と狙う汚染物質の対応(焼結炉=SOx、SCR=脱硝など)を取り違えないように整理します。
覚え方
- 浮屋根タンク=VOC(炭化水素)の蒸発損失を抑える。硫黄ではない。
- 鉄鋼のSOx最大の発生源=焼結炉。
- 石炭火力=脱硫は石灰石こう法、脱硝はSCR。
理解度チェック
Q.
製油所の浮屋根タンクは何を抑えるための設備ですか?
貯蔵中の炭化水素(VOC)の蒸発損失です。硫黄化合物ではありません。
Q.
鉄鋼プロセスでSOxの最大の発生源はどこですか?
焼結炉です。様々な排ガス対策技術が開発・改良されてきました。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月