令和3年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問17を解説|風速のべき乗則
令和3年度 大気関係技術特論 問17は、平坦地上で高さの異なる風速の比を表すべき乗則に関する問題です。式とその活用についての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
地面に近いほど摩擦で風が弱まり、高くなるほど風速が増えるという関係を、高さの比のべき乗で近似したのがこの式です。指数がどのくらいの値になるか、どんな範囲で成り立つか、といった式の性格を押さえておくのが基本です。分かれ目は指数pの大きさで、上空ほど風速の増え方はゆるやかになる(頭打ちになる)ため、指数が1より大きいか小さいかを取り違えさせる記述が紛れています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 高さの比を指数pで累乗する形なので、いわゆるべき乗則を表しています。 |
| (2) | ○(正しい) | この近似が成り立つのは、煙突から煙が出る高さ程度の低層大気に限られます。 |
| (3) | ×(誤り) | 指数pは通常1より小さい正の値が適合します。1より大きいとした点が逆です。 |
| (4) | ○(正しい) | pの値は大気安定度や地域特性(地表の粗さ)に応じて変わります。 |
| (5) | ○(正しい) | 風速計を置いた高度z1を基準に、煙流の高さz2の風速を推算できます。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
指数pに1より大きい値が適合するという点が誤りです。この式では、高さが増すほど風速も増えますが、その増え方は上空ほどゆるやかになり頭打ちになります。もし指数が1なら風速は高さに正比例して増え続け、1より大きければ加速度的に増えることになりますが、実際の風速の高さ変化はそこまで急ではありません。地表付近の摩擦の影響がゆるむにつれ増え方が鈍るため、pには1より小さい正の値が適合します。1より大きいと読ませるのがひっかけです。
覚え方
- 風速のべき乗則の指数pは1より小さい正の値。
- 高くなるほど風は強まるが、増え方は上空ほどゆるやか(頭打ち)。
- pは大気安定度や地表の粗さで変わる。成り立つのは低層大気。
理解度チェック
Q.
べき乗則の指数pはおおむねどんな値になる?
1より小さい正の値です。上空ほど風速の増え方がゆるやかになるため、1を超えることはありません。
Q.
pの値は何によって変わる?
大気安定度や地域特性(地表の粗さ)によって変わります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月