令和3年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問9を解説|NOx計測器とSO2の影響
令和3年度 大気関係技術特論 問9は、JISによる排ガス中の窒素酸化物自動計測器のうち、共存する二酸化硫黄の影響を受けない方式を選ぶ問題です。5つの方式から、二酸化硫黄が妨害にならないものを選びます。
この問題のポイント
窒素酸化物の自動計測器は、光の吸収や電気化学反応で濃度を測るものが多く、それらは二酸化硫黄が同じ波長を吸収したり電極で反応したりすることで影響を受けやすい方式です。分かれ目は化学発光方式の測定原理です。化学発光方式は一酸化窒素とオゾンの反応で出る光を測るしくみで、二酸化硫黄はこの反応にほとんど関わりません。そのため、共存する二酸化硫黄の影響を受けにくい方式として選ばれます。原理が「NOとオゾンに固有の発光」であることが決め手です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 化学発光方式は一酸化窒素とオゾンの反応光を測るため、二酸化硫黄の影響を受けにくく、これが正解です。 |
| (2) | ×(該当しない) | 赤外線吸収方式は、赤外域を吸収する二酸化硫黄の影響を受けうるため、当てはまりません。 |
| (3) | ×(該当しない) | 紫外線吸収方式は、二酸化硫黄が同じ紫外域を強く吸収するため影響を受けやすい方式です。 |
| (4) | ×(該当しない) | 差分光吸収方式も光の吸収を利用するため、二酸化硫黄の吸収による影響を受けうる方式です。 |
| (5) | ×(該当しない) | 定電位電解方式は電極で反応させるため、電極上で反応する二酸化硫黄の影響を受けうる方式です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが正解)
選択肢(1)の化学発光方式は、一酸化窒素にオゾンを反応させたときに出る光の強さから濃度を求めます。この発光は一酸化窒素とオゾンに固有の反応で生じるもので、二酸化硫黄はこの反応にほとんど関わりません。そのため、排ガス中に二酸化硫黄が共存していても測定値がずれにくいのが特徴です。これに対し、紫外線や赤外線の吸収を測る方式は、二酸化硫黄が同じ波長域を吸収して見かけの濃度を押し上げるおそれがあり、定電位電解方式も電極上で二酸化硫黄が反応して影響しえます。原理が光や電極の共有に頼らない化学発光方式が、二酸化硫黄の影響を受けにくい方式です。
覚え方
- 二酸化硫黄の影響を受けにくいNOx計測器は化学発光方式。
- 化学発光=一酸化窒素+オゾンの固有反応。SO2は割り込まない。
- 紫外線・赤外線の吸収方式や定電位電解方式は、SO2が同じ土俵に乗るので影響を受けうる。
理解度チェック
化学発光方式がSO2の影響を受けにくいのはなぜ?
測定原理が一酸化窒素とオゾンの反応で出る光だからです。二酸化硫黄はこの反応にほとんど関わりません。
紫外線吸収方式がSO2の影響を受けやすいのはなぜ?
二酸化硫黄が同じ紫外域を吸収し、見かけの濃度を押し上げるおそれがあるためです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月