令和2年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問12を解説|慣性力集じん装置の特徴
令和2年度 大気関係技術特論 問12は、慣性力集じん装置(衝突式・反転式)の特徴に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
慣性力集じん装置は、含じんガスの流れを急に曲げ、まっすぐ進もうとするダストの慣性を利用して気流から振り分ける方式です。衝突式は障壁に当てる回数を増やすほど、また衝突直前のガス速度を上げるほど集じん率が高くなり、反転式は方向転換の回数を増やすほど集じん率が高くなります。分かれ目は反転式の旋回半径と、捕集できる粒径の向きです。細かいダストを捕まえるには、旋回半径を小さくして遠心力を強める必要があります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 衝突式は衝突回数が多いほど捕集の機会が増え、集じん率が高くなります。 |
| (2) | ○(正しい) | 衝突直前のガス速度が大きいほど慣性力が強く働き、集じん率が高くなります。 |
| (3) | ○(正しい) | 反転式は方向転換の回数が多いほど、慣性で分離される機会が増え集じん率が高くなります。 |
| (4) | ×(誤り) | 旋回半径が大きいほど遠心力は弱まり、細かいダストは捕らえにくくなります。細かいダストを分離するには半径を小さくします。 |
| (5) | ○(正しい) | ダストホッパーは、分離したダストがガス流に再び同伴されにくい形状にします。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
反転式は流れを旋回させ、旋回で生じる遠心力(慣性)でダストを外側の壁へ振り分けます。遠心力は旋回半径が小さいほど大きくなるため、細かいダストを分離・捕集するには旋回半径を小さくする必要があります。「旋回半径が大きいほど細かいダストを分離できる」は向きが逆で、半径が大きいと遠心力が弱く、微細な粒子はガスに乗って通り抜けてしまいます。
覚え方
- 慣性力集じん=流れを曲げてダストを振り落とす。
- 集じん率を上げる=衝突回数・方向転換回数・衝突直前のガス速度を増やす。
- 細かいダストを捕るには旋回半径を小さく(遠心力を強く)。
理解度チェック
Q.
反転式で細かいダストを捕集するには旋回半径をどうする?
小さくします。旋回半径が小さいほど遠心力が強まり、微細な粒子も外側へ振り分けられます。
Q.
衝突式の集じん率を高める操作は?
衝突回数を増やす、または衝突直前のガス速度を上げることです。いずれも慣性の作用を強めます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月