令和元年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問10を解説|発生源施設とダストの特性
令和元年度 大気関係技術特論 問10は、ダストの発生源施設とダストの特性の関係に関する問題です。施設ごとのダストの密度や成分についての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダストは、発生する施設によって密度や粒子径、成分が大きく変わります。石炭灰は密度が比較的高く、金属を扱う電気炉のダストはさらに密度が大きい、といった傾向をつかむ問題です。分かれ目はセメントキルンダストの成分で、最も多いのは何かという点です。セメントは石灰石を主原料とするため、キルンダストではカルシウム分(CaO)が最も多くなります。ここをSiO2と読ませるのが引っかけです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 微粉炭燃焼ボイラーのダストは、重油燃焼ボイラーのダストよりかさ密度が大きくなります。 |
| (2) | ○(正しい) | ディーゼル機関のばいじん濃度は、一般に重油燃焼ボイラーより低くなります。 |
| (3) | ○(正しい) | 製鋼用電気炉のダストは金属酸化物を多く含み、微粉炭燃焼ボイラーのダストより密度が大きくなります。 |
| (4) | ×(誤り) | セメントキルンダストで最も多い成分はSiO2ではなく、石灰石由来のCaOです。 |
| (5) | ○(正しい) | ガスタービンで生じる気相析出形のカーボンブラックは、粒子径がきわめて微細です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
選択肢(4)は、セメントキルンダストの成分で最も多いものをSiO2としている点が誤りです。セメントは石灰石を主原料とし、これを焼いてカルシウム分を主体とするクリンカーをつくります。そのためキルンから出るダストにもカルシウム分が多く、成分として最も多いのはCaO(酸化カルシウム)です。二酸化けい素SiO2も含まれますが最多ではありません。原料が石灰石であることを思い出せば、主成分がカルシウム側に寄るとわかり、SiO2との取り違えを防げます。
覚え方
- セメントキルンダストの最多成分はCaO(石灰石由来)。SiO2ではない。
- ダストの密度は「重油<微粉炭<金属を扱う電気炉」の順で大きくなる。
- ガスタービンの気相析出形カーボンブラックは粒子径がきわめて微細。
理解度チェック
セメントキルンダストで最も多い成分は何?
CaO(酸化カルシウム)です。セメントは石灰石を主原料とするため、ダストもカルシウム分が最も多くなります。
微粉炭燃焼ボイラーと重油燃焼ボイラーでは、ダストのかさ密度はどちらが大きい?
微粉炭燃焼ボイラーの方が大きくなります。石炭灰は無機の鉱物分が多く、重油由来のダストよりかさ密度が高めです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月