令和元年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問8を解説|JIS排ガス試料採取の材質の組合せ
令和元年度 大気関係技術特論 問8は、JISによる排ガス試料採取方法で、測定成分と採取管・導管の材質の組合せとして正しいものを選ぶ問題です。
この問題のポイント
排ガス中の成分を正しく測るには、採取管や導管がその成分と反応したり腐食したりしない材質でなければなりません。反応してしまうと成分が途中で失われ、測定値が実際より低く出ます。分かれ目は、成分と材質の相性です。塩化水素などの酸性ガスは金属を腐食させるためステンレス鋼は向かず、ふっ化水素はガラス(シリカ)を溶かすためシリカガラスは使えません。こうした相性から、JISが適合とする組合せに合うものを選びます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説(成分と材質) |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | アンモニアと硬質塩化ビニル樹脂の組合せは、JISが適合とする組合せに合いません。 |
| (2) | ○(正しい) | 硫化水素とチタンの組合せは適合します。チタンは耐食性が高く、この成分に使えます。 |
| (3) | ×(誤り) | 塩化水素は金属を腐食させるため、ステンレス鋼は採取管・導管に適しません。 |
| (4) | ×(誤り) | 塩素と四ふっ化エチレン樹脂の組合せは、JISが適合とする組合せに合いません。 |
| (5) | ×(誤り) | ふっ化水素はガラスを溶かすため、シリカガラスは使えません。 |
ここが分かれ目
この問題は「成分がその材質を傷めないか」で見分けます。とくに確実なのが2つです。塩化水素は金属を腐食させる酸性ガスなので、選択肢(3)のステンレス鋼は不適です。ふっ化水素はガラス(シリカ)を溶かすため、選択肢(5)のシリカガラスは使えません。この2つだけでも候補を大きく絞れます。残る中で、JISが定める適合材質の組合せに合うのは選択肢(2)の硫化水素とチタンです。チタンは耐食性の高い金属で、この成分の採取管・導管として使えます。成分ごとの適合材質は暗記が必要ですが、「腐食させるガスに金属は避ける」「ガラスを溶かすガスにガラスは避ける」という原則で誤りをふるい落とせます。
覚え方
- ふっ化水素はガラスを溶かす。シリカガラス(石英)は使えない。
- 塩化水素など酸性ガスは金属を腐食させる。ステンレス鋼は避ける。
- 材質が成分と反応すると、測定値は実際より低く出る。
理解度チェック
ふっ化水素の試料採取にシリカガラス製の管が使えないのはなぜ?
ふっ化水素はガラス(シリカ)を溶かすためです。管が侵されると成分が失われ、正しく測定できません。
採取管の材質が測定成分と反応すると、測定値はどうなる?
成分が途中で失われるため、実際より低い値になります。だから成分に合った材質を選ぶ必要があります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月