1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 大気概論
  4. 令和7年
  5. > 問3 VOC施策の実施の指針

令和7年度 公害防止管理者 大気概論 問3を解説|VOC施策の実施の指針(規制の対象は排出のみ)

令和7年度 大気概論 問3は、大気汚染防止法第17条の3(揮発性有機化合物(VOC)の排出及び飛散の抑制に関する施策等の実施の指針)の条文に関する下線部問題です。下線を付した(1)〜(5)のうち誤っているものを選びます。

この問題のポイント

第17条の3は、VOC対策を法による規制事業者の自主的な取組の二本立て(ベストミックス)で進める、という基本方針を示した規定です。核心は法の規制が対象とする範囲です。第二章の二の規制が対象とするのは揮発性有機化合物の「排出」であって、「飛散」は規制の対象に含まれません。飛散の抑制は事業者の自主的取組に委ねられています。下線(3)を「排出及び飛散の規制」とすると、本来自主的取組に委ねた飛散まで法規制に取り込む記述になり、ここが誤りです。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)(誤っている箇所)

各下線部の正誤

下線正誤解説
(1)○(正しい)「排出及び飛散の抑制」。施策全体・自主的取組・効果的な抑制は、いずれも排出と飛散の両方を目標にします。正しい記述です。
(2)○(正しい)「措置」。条文は「施策その他の措置」と定めています。正しい記述です。
(3)×(誤り)「排出及び飛散の規制」が誤り。この章の規制の対象は排出のみで、正しくは「排出の規制」です。飛散は規制ではなく自主的取組で抑えます。
(4)○(正しい)「自主的」。事業者が自主的に行う取組を法規制と組み合わせます。正しい記述です。
(5)○(正しい)「適切に組み合わせて」。規制と自主的取組を適切に組み合わせる(ベストミックス)のが基本方針です。正しい記述です。

ここが分かれ目

第二章の二「揮発性有機化合物に係る規制」は、VOC排出施設の排出口における濃度基準(排出基準)を柱とする制度で、規制の対象は「排出」です。一方の「飛散」(開放系からの揮発など)は測定・規制になじみにくく、事業者の自主的取組で抑える設計になっています。だから条文は「この章に規定する揮発性有機化合物の排出の規制と、事業者が自主的に行う揮発性有機化合物の排出及び飛散の抑制のための取組とを適切に組み合わせて」と、規制(排出)自主的取組(排出+飛散)を対置しています。下線(3)を「排出及び飛散の規制」にすると、本来は自主に委ねられた飛散まで規制の対象に含めてしまう誤りになります。

覚え方

  • VOC対策は「排出」の法規制+「排出・飛散」の自主的取組のベストミックス。
  • 法の規制が対象にするのは排出のみ。飛散は自主的取組で抑える。

理解度チェック

Q.

第17条の3で、法の規制が対象とするのは「排出」と「飛散」のどちら?

排出のみです。飛散の抑制は事業者の自主的取組に委ねられており、「排出及び飛散の規制」とするのは誤りです。

Q.

VOC対策の基本方針を一言でいうと?

法による規制と事業者の自主的取組を適切に組み合わせる「ベストミックス」です。

この問題に関連する用語解説

令和7年 大気概論 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 大気概論 問題」(公式PDF
  • 大気汚染防止法 第17条の3(施策等の実施の指針)