令和7年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問2を解説|キレート排水の処理
令和7年度 水質有害物質特論 問2は、キレート剤を含む重金属排水の処理に関する問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
キレート剤は重金属イオンをがっちり取り込んで安定な錯体をつくるため、pHを上げるだけの単純な水酸化物法では重金属が沈まなくなります。そこで登場するのが、封鎖された重金属を別の金属で追い出す置換法です。引っかけの核心は、Fe+Ca塩法でどちらの金属が主役として重金属を追い出すか、その順序です。選択肢(5)は、実際にはまず鉄(Ⅱ)が置換の主役となるところを、カルシウムが先という向きで書いている点が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | キレート剤が多いと、pH調整だけの単純な水酸化物法では重金属を処理できなくなります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | キレート剤の濃度が低くなると、錯体は不安定になります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | キレート剤の影響は、剤の種類・重金属の種類・濃度によって一様ではありません。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 置換法は、封鎖された重金属を他の金属で置き換え、遊離した重金属を水酸化物として沈殿させる方法です。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | Fe+Ca塩法で重金属を追い出す主役は鉄(Ⅱ)で、置換の順序を逆に述べている点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
キレート排水にそのまま水酸化物法を使っても、重金属はキレート剤に封鎖されて沈みません。Fe+Ca塩法は、鉄(Ⅱ)塩とカルシウム塩を加える置換法で、鉄(Ⅱ)がキレートから重金属を追い出す主役となり、遊離した重金属が水酸化物として沈殿します。選択肢(5)は「まずカルシウムで置換され、その後に鉄で置換される」と、置換の順序・主役を逆に書いている点が誤りです。どちらの金属がキレートを奪い取る中心かを取り違えないことがポイントです。
覚え方
- キレート排水は単純な水酸化物法では沈まない。置換法(Fe+Ca塩法など)で対応。
- Fe+Ca塩法は鉄(Ⅱ)が主役でキレートから重金属を追い出す。
理解度チェック
Q.
キレート剤が多いと、pH調整だけの水酸化物法で処理できる?
いいえ。重金属がキレートに封鎖されて沈まないため、置換法などが必要になります。
Q.
Fe+Ca塩法でキレートから重金属を追い出す主役は?
鉄(Ⅱ)イオンです。追い出された重金属が水酸化物として沈殿します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月