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令和6年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問1を解説|硫化物法による重金属処理

令和6年度 水質有害物質特論 問1は、硫化物法による重金属排水の処理に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

硫化物法は、重金属イオンを硫化ナトリウムなどと反応させ、溶けにくい金属硫化物として沈める方法です。金属硫化物の溶解度積は水酸化物よりずっと小さいので、より低い濃度まで除去できます。引っかけの核心は過剰な硫化物イオンの扱いです。硫化物イオンが余りすぎると、生成する硫化物が微細なまま分散して凝集・沈降性がかえって悪くなります。だからこそ選択肢(5)のように鉄塩を加えて余分な硫化物イオンを固定します。選択肢(2)はこの向きを逆にし、過剰な硫化物で凝集が「促進される」と書いています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)カドミウム硫化物の溶解度積は水酸化物よりはるかに小さく、低濃度まで沈殿除去できます。正しい記述です。
(2)×(誤り)過剰な硫化物イオンは硫化物を微細に分散させ、凝集性はむしろ悪くなります。「凝集が促進される」とする向きが誤りです。
(3)○(正しい)硫化水素の毒性・強い臭気・腐食性が難点で、単独の適用例は多くありません。正しい記述です。
(4)○(正しい)臭気や凝集性・操作性の欠点を補うため、硫黄系の重金属捕集剤の使用が増えています。正しい記述です。
(5)○(正しい)鉄塩で過剰な硫化物イオンを固定し、生成する水酸化物の共沈で凝集性を高めます。正しい記述です。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

硫化物法では、加える硫化物イオンが不足すると金属が沈みきらず、逆に余りすぎても不都合が起きます。過剰な硫化物イオンがあると、生成した金属硫化物が微細なコロイドのまま水中に分散し、まとまって沈まず凝集・沈降性が悪化します。これを防ぐために、選択肢(5)のように鉄塩を加えて余分な硫化物イオンを硫化鉄として固定し、同時にできる水酸化鉄の共沈でフロックを大きくします。選択肢(2)は「過剰な硫化ナトリウムが多硫化物を生じて凝集を促進する」と、過剰硫化物が良い方向に働くかのように向きを逆に述べている点が誤りです。

覚え方

  • 硫化物法は溶解度積が水酸化物より小さく、低濃度まで除去
  • 硫化物イオンは過剰でも不足でもだめ。過剰は微細分散で凝集悪化。
  • 過剰硫化物の対策=鉄塩で固定+水酸化鉄の共沈で凝集改善。

理解度チェック

Q.

硫化物イオンが過剰にあると凝集性はどうなる?

悪くなります。硫化物が微細に分散して沈みにくくなるため、鉄塩を加えて余分な硫化物イオンを固定します。

Q.

硫化物法が低濃度まで除去できる理由は?

金属硫化物の溶解度積が水酸化物よりはるかに小さいためです。より深く沈殿させられます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF