令和3年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問1を解説|アルカリ剤の選定
令和3年度 水質有害物質特論 問1は、重金属排水の処理に使うアルカリ剤の中で、キレート剤による処理性能の低下を軽減し、汚泥減容効果が高いものを選ぶ問題です。あてはまるものを選びます。
この問題のポイント
重金属を難溶性の水酸化物として沈める処理では、消石灰・カセイソーダ・ソーダ灰・石灰石・水酸化マグネシウムといったアルカリ剤が使い分けられ、剤ごとに溶けやすさ・発生する汚泥の量・キレート剤への強さが違います。ここで決め手になるのが水酸化マグネシウムで、EDTAなどのキレート剤が共存しても処理性能の低下が小さく、生成する汚泥が少ない(汚泥減容効果が高い)という特長があります。安価でなじみのある消石灰を選びたくなりますが、消石灰は汚泥が多く、この設問の条件には合いません。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(該当しない) | カセイソーダは液状で中和が速くpH調整が容易ですが、キレート耐性や汚泥減容が特長として問われる剤ではありません。 |
| (2) | ×(該当しない) | 消石灰は安価で広く使われますが、発生する汚泥が多く、汚泥減容効果が高い剤とはいえません。 |
| (3) | ×(該当しない) | ソーダ灰(炭酸ナトリウム)は中性から弱アルカリ域の処理に向く剤で、この設問の条件には合いません。 |
| (4) | ×(該当しない) | 石灰石は安価ですが反応が遅く、濃厚ふっ酸廃液の処理などに使われる剤で、汚泥減容が特長ではありません。 |
| (5) | ○(正しい) | 水酸化マグネシウムはキレート剤が共存しても処理性能の低下が小さく、汚泥減容効果が高い剤です。これが正解です。 |
選択肢(5)のポイント(ここが決め手)
水酸化マグネシウムは弱アルカリ性で、pHを上げ過ぎにくく、生成する水酸化物汚泥が緻密で量が少ないため汚泥減容効果が高いのが特長です。さらにEDTAなどのキレート剤が共存しても、重金属を捕集する能力の低下が比較的小さく、処理性能を保ちやすいという利点があります。安価な消石灰と迷いやすいのが引っかけですが、消石灰は発生する汚泥が多く、この設問がいう「汚泥減容効果が高い」剤にはあてはまりません。剤の名前と「汚泥が少ない・キレートに強い」という組合せでおさえます。
覚え方
- 汚泥減容+キレート剤に強いアルカリ剤は水酸化マグネシウム。
- 消石灰は安いが汚泥が多い/カセイソーダは液状で中和が速い、と特長で仕分け。
理解度チェック
キレート剤が共存しても処理性能の低下が小さく、汚泥が少ないアルカリ剤は?
水酸化マグネシウムです。汚泥減容効果が高く、キレート剤の影響を受けにくいのが特長です。
安価だが汚泥が多く、この設問の条件に合わないアルカリ剤は?
消石灰(水酸化カルシウム)です。広く使われますが発生汚泥が多く、汚泥減容効果が高い剤とはいえません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月