令和元年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問9を解説|有機塩素系化合物の処理
令和元年度 水質有害物質特論 問9は、トリクロロエチレンなど有機塩素系化合物の処理法に関する問題です。揮散・活性炭吸着・原位置分解・生物分解を扱い、記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
有機塩素系化合物は、揮散させて排ガス処理する、活性炭で吸着する、微生物や反応材で分解する、といった方法で処理します。引っかけの核心は、土壌汚染の原位置分解で使う鉄粉の働きです。鉄粉を主体とする反応材は、還元剤として塩素を外す還元的脱塩素で汚染物質を無害化します。選択肢(3)が「酸化無害化する」と酸化・還元の向きを逆に書いている点が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 揮散法で発生した排ガスは吸着法や酸化分解法で処理でき、正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 活性炭吸着法はごく微量まで除去できる一方、吸着量が少ない点も含め正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 鉄粉を主体とする反応材は還元的脱塩素で無害化します。「酸化無害化する」とする点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | トリクロロエチレンの好気性分解では、最終的に水・CO2・塩化物イオンが生成し、正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 嫌気細菌による分解では還元的脱塩素化反応が起こり、正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
鉄粉(ゼロ価鉄)を主体とする反応材は、みずからが電子を渡す還元剤として働き、有機塩素系化合物から塩素を外す還元的脱塩素によって汚染地下水を無害化します。選択肢(3)は「酸化無害化する」としており、鉄粉が担うのは酸化ではなく還元なので、向きが逆で誤りです。同じ問題の選択肢(5)も嫌気条件での還元的脱塩素を述べており、「鉄粉・嫌気=還元的脱塩素」でまとめて覚えると取り違えません。
覚え方
- 鉄粉(ゼロ価鉄)は還元剤=還元的脱塩素で無害化。酸化ではない。
- 好気分解の最終生成物は水・CO2・塩化物イオン。
- 嫌気細菌でも還元的脱塩素。活性炭は微量まで除けるが吸着量は少ない。
理解度チェック
Q.
鉄粉を主体とする反応材はどんな反応で有機塩素系化合物を無害化する?
還元的脱塩素です。鉄粉は還元剤として働くため、酸化無害化ではありません。
Q.
トリクロロエチレンの好気性生物分解の最終生成物は?
水・二酸化炭素・塩化物イオンです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月