令和6年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問9を解説|活性汚泥法とMLSS濃度
令和6年度 水質関係技術特論 問9は、各種の活性汚泥法を一般的な条件で運転したとき、MLSS濃度が最も高くなる方法を選ぶ問題です。並んだ処理方式のうち、槽内に汚泥を最も高濃度に保てるものを選びます。
この問題のポイント
MLSS濃度は曝気槽の中にどれだけ活性汚泥を保てるかを表します。多くの活性汚泥法は最後に沈殿池で汚泥と処理水を重力で分けるため、汚泥を高濃度にしすぎると沈みにくくなり、保てる濃度に上限があります。分かれ目は、固液分離を沈殿ではなく膜で行う方式です。膜で分離すれば沈降性に頼らずに済むため、槽内の汚泥をとりわけ高い濃度に保てます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | オキシデーションディッチ法は長い滞留で運転しますが、沈殿分離に頼るため最高ではありません。 |
| (2) | ×(誤り) | 標準活性汚泥法のMLSS濃度は比較的低めで、最も高くはなりません。 |
| (3) | ×(誤り) | 長時間エアレーション法は標準法より高めですが、膜分離方式には及びません。 |
| (4) | ×(誤り) | 酸素活性汚泥法は高めのMLSSで運転できますが、沈殿分離のため最高値にはなりません。 |
| (5) | ○(正しい) | 膜分離活性汚泥法は膜で固液分離するため沈降性に縛られず、最も高いMLSS濃度を保てます。 |
ここが分かれ目
見きわめのカギは、汚泥と処理水をどう分けるかです。多くの方式は沈殿池で汚泥を沈めて分けるため、汚泥を濃くしすぎると沈みにくくなって分離できず、保てるMLSS濃度に上限が生まれます。これに対して膜分離活性汚泥法は、沈殿の代わりに膜でこして分けるので、汚泥の沈降性に左右されません。そのぶん槽内の汚泥をとりわけ高い濃度に保てるため、一般的な運転条件でMLSS濃度が最も高くなります。沈殿分離に頼る方式(標準法・長時間エアレーション法・オキシデーションディッチ法・酸素活性汚泥法)とは、この一点で差がつきます。
覚え方
- MLSSを最も高く保てるのは膜分離活性汚泥法。膜でこして分けるから沈降性に縛られない。
- 沈殿池で分ける方式は、濃くしすぎると沈まず分離できない。だから上限がある。
- 固液分離の手段(沈殿か膜か)が、保てる汚泥濃度の高さを決める。
理解度チェック
膜分離活性汚泥法が高いMLSS濃度を保てるのはなぜ?
沈殿ではなく膜で固液分離するため、汚泥の沈降性に縛られないからです。濃くしても膜でこして処理水を取り出せます。
沈殿池で汚泥を分ける方式にMLSSの上限があるのはなぜ?
汚泥を濃くしすぎると沈みにくくなり、処理水と分離できなくなるためです。沈降性が保てる範囲に濃度が制限されます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月