令和6年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問2を解説|沈殿池の表面積計算
令和6年度 水質関係技術特論 問2は、上昇流式沈殿池で懸濁粒子を完全に除去するために必要な最低限の表面積を求める計算問題です。与えられた沈降速度と流入水量から、必要な表面積を選びます。
この問題のポイント
上昇流式沈殿池では、水は下から上へ均一に流れます。粒子が沈み残らず除去される条件は、粒子の沈降速度が水の上昇速度以上であること、言い換えると上昇速度が沈降速度以下になることです。上昇速度は流量を表面積で割った値なので、必要な表面積は流量÷沈降速度で決まります。分かれ目は、沈降速度と流量の単位(分・日、cm・m)をそろえてから割ること。ここで換算を誤ると桁がずれます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
計算の手順
- 沈降速度を1日当たりにそろえる。1.7 cm/分=0.017 m/分。これに1日の分数1440を掛けて、0.017×1440=24.48 m/日。
- 必要表面積は 流量÷沈降速度。流量は800 m3/日なので、A=800÷24.48=約32.7 m2。
- 選択肢のうち最も近いのは 約33 m2。
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 約23 m2では小さすぎ、上昇速度が沈降速度を上回って粒子が流出します。 |
| (2) | ×(誤り) | 約28 m2でも必要面積に届きません。 |
| (3) | ○(正しい) | 800÷24.48≒32.7となり、最も近い約33 m2が必要最低限の表面積です。 |
| (4) | ×(誤り) | 約38 m2は計算値より大きく、必要最低限には当たりません。 |
| (5) | ×(誤り) | 約42 m2も過大で、求める最低限の値ではありません。 |
ここが分かれ目
つまずきやすいのは単位換算です。沈降速度は分単位・cm単位で、流量は日単位・m単位で与えられています。単位をそろえずに割ると桁がずれ、まったく違う答えになります。cmはmへ(1.7 cm=0.017 m)、分は日へ(×1440)と直してから、流量800 m3/日を沈降速度24.48 m/日で割ります。上昇流式では「上昇速度=沈降速度」の境界が完全除去の条件なので、必要表面積は流量÷沈降速度でぴたりと決まります。
覚え方
- 上昇流式沈殿池の必要表面積は流量÷沈降速度。上昇速度が沈降速度以下なら粒子は残る。
- 沈降速度cm/分は、m/日へ。1440を掛けて1日当たりにそろえる。
- 面積が小さいほど上昇速度が速くなり除去できない。求めるのは条件を満たす最小の面積。
理解度チェック
Q.
上昇流式沈殿池で粒子が完全に除去される条件は?
水の上昇速度が粒子の沈降速度以下になることです。これを満たす表面積が必要になります。
Q.
1.7 cm/分は1日当たり何m?
0.017 m×1440分=24.48 m/日です。流量800 m3/日をこの値で割ると約33 m2になります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月