令和4年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問18を解説|植物プランクトンの増殖
令和4年度 水質関係技術特論 問18は、植物プランクトンの増殖を計算する式に関する問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
植物プランクトンの増殖モデルは、最大比増殖速度(温度の関数)、栄養塩による制限(リービッヒの最小律)、光合成−光応答、光の減衰(ランバート−ベールの式)などを組み合わせて表します。引っかけの核心は炭素現存量の求め方です。炭素現存量は、指標となるクロロフィルa濃度に炭素/クロロフィルa比を掛けて推定するもので、溶存体有機物との比から出すのではありません。選択肢(4)がこの点を取り違えています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 最大可能比増殖速度は温度の関数で計算されます。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 栄養塩の制限はリービッヒの最小律に従い、窒素・りん等のうち制限の強い方を考えます。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 光合成−光応答の式で、光強度による光合成速度の変化が計算されます。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 炭素現存量は「溶存体有機物との比」ではなく、クロロフィルa濃度と炭素/クロロフィルa比から求めます。誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 水中での光強度はランバート−ベールの式から計算されます。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
植物プランクトンの炭素現存量(生物体としての炭素量)は、その量の目安になるクロロフィルa濃度に、あらかじめ決めた炭素/クロロフィルa比を掛けて推定します。一方、選択肢(4)が持ち出す溶存体有機物は水に溶けた有機物で、植物プランクトンの体を作る炭素量とは別物です。これとの比から現存量を出すわけではありません。関係のない量を組み合わせている点が誤りで、「炭素現存量はクロロフィルaから」と押さえておくと迷いません。
覚え方
- 炭素現存量はクロロフィルa濃度×炭素/クロロフィルa比。
- 栄養塩制限はリービッヒの最小律(効く方が律速)。
- 光の減衰はランバート−ベール、増殖速度は温度依存。
理解度チェック
Q.
植物プランクトンの炭素現存量は何から計算する?
クロロフィルa濃度と炭素/クロロフィルa比から求めます。溶存体有機物とは無関係です。
Q.
栄養塩による増殖制限はどの考え方に従う?
リービッヒの最小律です。窒素・りんなどのうち、制限の強い(不足している)方が増殖を律速します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月