令和3年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問9を解説|返送汚泥のSS濃度
令和3年度 水質関係技術特論 問9は、MLSS濃度と返送汚泥率から返送汚泥のSS濃度を求める計算問題です。物質収支を使って正しいものを選びます。
この問題のポイント
曝気槽の入口では、返送汚泥が運び込むSSが、そのまま曝気槽混合液のSS(MLSS)を保っています。この物質収支から、流入水のSSを無視すると返送汚泥のSS濃度は MLSS×(1+R)/R(Rは返送汚泥率)で表せます。分かれ目は、返送汚泥率Rの定義と、返送汚泥がMLSSより濃い((1+R)/R倍になる)という関係をつかむことです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
計算の手順
- 返送汚泥率 R=0.5、MLSS=2000 mg/L。
- 曝気槽入口の物質収支:返送汚泥が持ち込むSS=曝気槽混合液のSS(流入水のSSは無視)。
R×(返送汚泥SS)=(1+R)×MLSS。 - 返送汚泥SS=MLSS×(1+R)/R=2000×(1.5)/0.5=2000×3。
- 返送汚泥SS=6000 mg/L。
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 2000はMLSSそのままの値で、返送汚泥はこれより濃くなります。 |
| (2) | ×(誤り) | 4000はMLSSの2倍で、(1+R)/R=3倍という関係と合いません。 |
| (3) | ○(正しい) | 2000×(1+0.5)/0.5=2000×3=6000 mg/L。物質収支から得られる正しい値です。 |
| (4) | ×(誤り) | 8000はMLSSの4倍で、Rの取り方を誤ると出やすい値です。 |
| (5) | ×(誤り) | 10000は倍率の取り違えによる値で、条件に合いません。 |
ここが分かれ目
MLSSと返送汚泥のSSを混同しないことが要点です。返送汚泥は沈殿池で濃縮されるため、曝気槽混合液より(1+R)/R倍だけ濃くなります。R=0.5ならこの倍率は3倍で、2000×3=6000 mg/Lです。返送汚泥率Rが小さいほど、返送汚泥は濃くなる(少ない返送量で必要な汚泥を戻すため)関係もあわせて押さえます。
覚え方
- 返送汚泥SS=MLSS×(1+R)/R。
- 返送汚泥率Rが小さいほど返送汚泥は濃い。
- R=0.5なら返送汚泥はMLSSの3倍。
理解度チェック
Q.
返送汚泥のSS濃度を求める式は?
MLSS×(1+R)/Rです。今回は2000×3=6000 mg/L。
Q.
返送汚泥率が小さいと、返送汚泥の濃度はどうなる?
濃くなります。(1+R)/Rが大きくなるためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月