令和2年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問9を解説|曝気槽汚泥濃度の計算
令和2年度 水質関係技術特論 問9は、活性汚泥処理の曝気槽汚泥濃度(MLSS)を求める計算問題です。流入水量・BOD濃度・曝気槽容量・BOD汚泥負荷から、正しいMLSSの値を選びます。
この問題のポイント
BOD汚泥負荷は「一日に入るBOD量を、曝気槽の中にいる汚泥(MLSS)の量で割ったもの」です。式で書くと、BOD汚泥負荷=(流入水量×BOD濃度)÷(曝気槽容量×MLSS濃度)。求めたいMLSSはこの式を変形すれば出ます。分かれ目は単位をそろえることで、BOD濃度 mg/L は g/m3 と同じ値、負荷は kg 単位で扱うと計算が合います。数値を代入すればMLSS=2000 mg/Lが得られます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
計算の手順
- 一日に入るBOD量を求める。流入水量600 m3/日 × BOD濃度200 mg/L(=200 g/m3)=120000 g/日=120 kg BOD/日。
- BOD汚泥負荷の式:BOD汚泥負荷=一日のBOD量 ÷ (曝気槽容量 × MLSS)。MLSSは kg/m3 で扱う。
- 式を変形:MLSS=一日のBOD量 ÷ (曝気槽容量 × BOD汚泥負荷)=120 ÷ (200 × 0.3)。
- 分母を計算:200 × 0.3=60。よってMLSS=120 ÷ 60=2 kg/m3。
- 単位を換算:2 kg/m3=2000 mg/L。
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 1000 mg/Lでは負荷が計算値より大きくなり、条件と合いません。 |
| (2) | ○(正しい) | 式に代入して得られるMLSSは2000 mg/Lで、これが正解です。 |
| (3) | ×(誤り) | 3000 mg/Lでは負荷が0.3より小さくなり、条件を満たしません。 |
| (4) | ×(誤り) | 4000 mg/Lは計算値の2倍で、負荷条件と一致しません。 |
| (5) | ×(誤り) | 5000 mg/Lも過大で、与えられたBOD汚泥負荷にはなりません。 |
ここが分かれ目
つまずきやすいのは単位換算です。BOD濃度200 mg/Lは200 g/m3と同じ値なので、流入水量600 m3/日を掛けると120000 g/日=120 kg/日と、キログラム単位に直せます。MLSSも kg/m3 で計算し、最後に mg/L へ戻すと2 kg/m3=2000 mg/Lです。mgとkg、Lとm3を混ぜたまま計算すると桁がずれます。「負荷が大きいほどMLSSは小さくなる(反比例)」という向きも押さえておけば、答えの妥当性を確かめられます。
覚え方
- BOD汚泥負荷=一日のBOD量 ÷(曝気槽容量 × MLSS)。MLSSを出すなら式を逆に解く。
- mg/Lは g/m3 と同じ値。最後に kg/m3=1000 mg/Lで戻す。
- MLSSは負荷と反比例。負荷が小さいほどMLSSは大きくなる。
理解度チェック
Q.
一日に入るBOD量はいくつ?
120 kg/日です。600 m3/日 × 200 g/m3=120000 g/日=120 kg/日と換算します。
Q.
求めた曝気槽のMLSSは?
2000 mg/Lです。120 ÷ (200 × 0.3)=2 kg/m3=2000 mg/Lと求まります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月