令和2年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問5を解説|塩素・オゾンによる排水処理
令和2年度 水質関係技術特論 問5は、塩素又はオゾンによる排水処理に関する正誤問題です。両者の性質や使い方の記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
塩素とオゾンはどちらも酸化剤・消毒剤として使われますが、性格が違います。塩素は水に溶けると存在形(Cl2・HClO・ClO-)の割合がpHで変わり、有機物と結びついて有機塩素化合物をつくる副生成の問題があります。オゾンは発生機と電力があればその場でつくれ、貯蔵や輸送が不要です。分かれ目は酸化力の大小で、酸化還元電位(ORP)でみるとオゾンのほうが塩素より酸化力が強いのが正しい向きです。ここを「塩素のほうが強い」と逆にした記述が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 塩素は消毒剤としても、水中の有機物の酸化分解にも用いられます。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 塩素が水に溶けるとCl2・HClO・ClO-が混在し、その割合はpHで変わります。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 酸化力はオゾンのほうが塩素より強いのが正しく、「塩素のほうが強い」は大小が逆で誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | オゾンは発生機と電力があればその場で製造でき、貯蔵や輸送が不要です。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 塩素は水中の有機物と化合して有機塩素化合物を生じます。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
酸化還元電位(ORP)は、その物質がどれだけ強く相手から電子を奪えるか(酸化力の強さ)の目安です。オゾンと塩素を比べると、オゾンのほうがORPが高く、酸化力が強い酸化剤です。だからこそオゾンは色度・臭気の除去や難分解性物質の分解に使われます。選択肢(3)は「塩素はオゾンより酸化力が強い」と大小を逆に述べている点が誤りで、正しくはオゾンのほうが酸化力が強いという向きになります。
覚え方
- 酸化力(ORP)はオゾン>塩素。強い酸化剤はオゾン。
- 塩素は水中でCl2・HClO・ClO-に分かれ、割合はpH次第。有機物と結ぶと有機塩素化合物。
- オゾンはその場発生・貯蔵輸送いらず。塩素は取り扱いや副生成物に注意。
理解度チェック
Q.
酸化力が強いのは塩素とオゾンのどちら?
オゾンです。ORPで比べるとオゾンのほうが高く、塩素より酸化力が強い酸化剤です。
Q.
塩素が水に溶けたときの存在割合は何で変わる?
pHで変わります。Cl2・HClO・ClO-の割合がpHに応じて移り変わります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月